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■下沢順一郎        

2006年の3月から9月までの間に、脳損傷による後遺障害に関する実態調査が行われています。
 そこで、まずお聞きいたします。
 平成18年度に実施した脳損傷による後遺障害に関する実態調査の調査目的、調査対象、調査方法はどのようなものであったか。お聞きいたします。
 また、この調査によって何がわかったのか。社会部長にお聞きします。
        

◎社会部長
 (和田恭良)

 

お答えします。
 まず、この調査の目的でございますが、脳血管障害や交通事故等による脳外傷などによって脳に損傷を受け、何らかの後遺障害を有する方の実態やニーズを把握し、必要な支援策を検討するために実施したものです。
 実施に際しましては、市町村や県内医療機関、社会福祉施設等に協力を依頼しまして、訪問調査も交え、700人の方から回答をいただきました。
 調査結果ですが、主なものとして、まず発症原因別に見ますと、脳血管障害がほぼ2分の1と最も多く、次いで多い交通事故等による脳外傷を合わせますと全体の約8割を占めるということ、次に、脳損傷を原因とします後遺障害といたしましては、身体障害が最も多く、次いで高次脳機能障害、知的障害、精神障害、遷延性意識障害の順となっておりまして、その他記憶障害や言語障害、失語症などさまざまな障害をお持ちだということ、また、発症前の職場へ復職、就労できなかった方が7割に上るということ、さらに、どのような段階でどのようなリハビリ訓練をすべきかという障害の改善に関する情報が不足しているということや、障害に理解のある相談員体制の不十分なことなどが明らかになりました。
 以上でございます。

       

下沢順一郎

ただいま御回答いただきました目的でございますが、実態を正確に把握しようとした点、そして発症原因や障害名で対象者を限定せずに行われ、回答者に偏りが少ないことから、非常にすばらしい調査であったのではないかなというふうに考えます。
 このデータをもとにして、マザーチャート運営事務局が、介護者が感じている身体機能の障害を縦軸にとり、脳機能障害を横軸にとることで、この700名の分布図、つまりマザーチャートを作成しております。
 点がたくさんあるものですから見にくいんですが、このようなものでございます。分布図があるというところにポイントがあるわけですね。これは、東京都高次脳機能障害実態調査実施委員会を初め、国立リハビリテーションセンター主催の支援拠点連絡会等でも、長野県のデータをもとにしてつくられたこのマザーチャートを使って論議、発表がなされているとのことであります。
 こちらをごらんください。これは、高次脳機能障害の症状を感じている、高次脳機能障害と診断されている、高次脳機能障害に該当すると回答した人々を赤丸で表示したものでございます。687名の脳損傷者のうち403名、約6割に上りまして、ほぼ全域にわたっております。

 また、こちらもごらんください。この方々の中には重度障害者が76名、約1割含まれております。人工呼吸器を使用している、気管切開している、頻繁なたんの吸引が必要であるなどいわゆる医療的ケアが必要で、福祉施設の利用が難しいとされている方々です。ここに特に集まっていると。つまり、脳機能障害が非常に重くて身体機能障害も重いというところに集まっているという分布図でございます。
 これから導き出されるのは、一つとして、若年脳損傷者と高次脳機能障害者は別ではないという点、そして2番目として、若年脳損傷者の中には、筋ジス患者、ALS患者と同様、医療的ケアを必要としている重度障害者がいるということがおわかりいただけたかと思います。

 また、長野県障害者プラン後期計画は、制度のはざまにある障害の支援として、重度障害者、若年脳損傷者、発達障害者、高次脳機能障害者の4群を挙げています。
 しかし、県の事業からは、高次脳機能障害者でもない、遷延性意識障害者でもないと位置づけられる人々、当事者、家族らが、寝たきりではないが就労は望めないと表現している中間に位置する人々はどうするかという問題が生じてまいります。この点について、県としては、このデータをどのように利用し、脳損傷による後遺障害者への支援策につなげていく考えがあるのか。社会部長に御意見をお聞きいたします。

        

◎社会部長
 (和田恭良)

県といたしましては、先ほどの調査結果を踏まえまして、脳損傷の後遺障害に対します相談・支援体制の充実を図ることといたしまして、現在、県下の10圏域の障害者総合支援センター、あるいは県下4カ所の拠点病院におきまして就労支援を含めました各種相談、支援を行うほか、総合リハビリテーションセンターにおきまして社会生活や就労に関する訓練を実施しております。
 中間に位置する方への対応というお話でございましたが、県の調査実施後に障害者自立支援法が施行されまして、障害が認められれば基本的に福祉サービスの対象となることとされましたので、これにより支援してまいりたいと考えております。
 いずれにいたしましても、引き続き障害者総合支援センターの相談、支援の周知に努めまして、このセンターを通じて障害者の方の声をよくお聞きするとともに、必要なものにつきましては国へ要望するなど、この障害が社会的により認識され、その環境が整備されるよう努めてまいりたいと、このように考えております。

        

■下沢順一郎

ぜひとも優しいお心遣いをいただきたいところですが、先日、こういった方々の中で何人か症例をいただきましたものですから、御紹介させていただきます。

 発症が2005年の43歳の方、これは女性の方で、銀行員だったそうですが、今、身障1級、療養手帳対象外で、介護保険2号被保険対象外だそうです。
 朝、通勤する途中にいきなり心肺停止になって、低酸素脳症になられたということでございます。現在この方が非常に気がかりになっているのは、医療的ケアが必要で、通常の福祉施設への入所が難しい、介護保険も使えなく、重身児者として扱われていない。療養病床が削減されていく中、いずれ退院を促されて医療難民となってしまうのではないかという不安を覚えているそうです。そして、障害者自立支援法の指定、療養介護事業所へ入所できるようにしてほしい、また、県内複数の医療機関に事業所開設を促進してほしいと訴えております。

 また、17歳のときに交通事故によって脳挫傷を受けた方でございます。この方は10年たって大分回復してきたという方でございます。このような状態の脳損傷者を既存施設でとりあえずお預かりをしますという対応ではなく、身体障害と重度の高次脳機能障害を重複しているという障害特性に適した社会的なリハビリ機会を提供してくれるような日中活動の場が欲しいというふうに言っております。
 このようなはざまの中にある人々のために我々が一体何ができるかということでございますが、2006年の調査の対象定義であります後天的な事由により脳に損傷を受け、現在も何らかの障害を残している者である脳損傷者の皆さんの声をよく聞いて、そして集めていただきたい、そして、このチャートを利用していただき、社会部、そして衛生部の垣根を越えて、どのように支援していくべきかというプランを今後ぜひつくっていただきたいと思います。

 続きまして、H5N1型新型インフルエンザについてお聞きいたします。
 4月25日、新型インフルエンザに備えることを目的とした改正感染症予防法と改正検疫法、いわゆる新型インフルエンザ関連法案が成立、可決されました。
 改正法では、海外からのウイルス流入を空港で阻止するため、感染が疑われる帰国者に対して強制的に付近の医療機関やホテルに隔離が可能となったわけであります。また、都道府県知事は、感染の疑いがある患者を含め、健康状態の報告や外出自粛、感染防止のための勧告を行うことができるようになったものです。

 そこで、お聞きいたします。
 高病原性鳥インフルエンザ、H5N1型が人に感染した場合、初期症状は、突然の高熱、38度以上だそうですが、せき、全身の倦怠と、他の通常のインフルエンザの症状となります。このため、確定診断するための検査体制が非常に重要となってまいります。その整備体制はどのようになっているのか。お聞きいたします。

 また、東南アジアを中心に鳥インフルエンザH5N1型の人への感染事例が増加し、このウイルスが人から人へと感染する新型インフルエンザに変異し、世界じゅうに流行するパンデミックになるのではないかと危惧されています。海外との交流が盛んになる今日、日本国内への侵入、発生の危険性もまたさらに高まっているわけであります。
 この新型鳥インフルエンザへの対策としてタミフルの備蓄が実施されております。長野県が備蓄している18万2,000人分は、国と地方全体での治療用の備蓄として、国の2,500万人分の一部であります。
 ところで、その服用するに当たっては服用優先順位というものがございますが、それは一体どうなっているのか。お聞きいたします。

 また、県内流通量が不足した場合や、タミフルの有効期限は5年ということですが、有効期限が切れた場合の対応策についても衛生部長にお聞きいたします。
       

◎衛生部長
兼 病院事業局長
 (渡辺庸子)

高病原性鳥インフルエンザH5N1が人に感染した場合における検査体制の整備についてお答えします。
 この疾患の症例定義につきましては、議員御指摘のとおり、38度C以上の発熱及び急性呼吸器症状等の身体症状に加えまして、感染あるいは感染が疑われる鳥もしくは患者への接触歴とされております。
 医療機関における受診者がこの要件に合致する場合、その場で検体を採取し、保健所が搬送し、県環境保全研究所でウイルス検査を実施することとしております。ここでH5が陽性になりますと、最終的に国立感染症研究所に検査を依頼し、H5N1に感染した患者かどうかを確定させます。
 迅速かつ的確な検査体制に向けまして、医療機関から保健所への連絡体制の強化や検査職員の技術向上、検査機器の精度管理など体制の充実に努めてまいります。

 次に、県が備蓄しているタミフルについてお答えします。
 投与の優先順位につきましては、国のガイドラインによりますと、感染拡大時の投与方法といたしましては、入院が必要な重症患者を優先し、外来患者につきましては、1、医療従事者及び社会機能維持者、2、医学的ハイリスク者、3、小児、高齢者、4、成人患者と4区分とした上で検討するとされておりまして、具体的な内容は今後示されることとなります。引き続き、国の動向を踏まえまして、投与の優先順位についての具体的な対応等を整理してまいります。
 県内流通量が不足した場合には、医薬品卸協同組合との連携によりまして、県備蓄タミフルを県が指定した医療機関等に優先的に供給することとしております。さらに、国においても、不足しがちな都道府県に対し国備蓄分を供給することとしております。
 なお、タミフルの有効期限は御指摘のとおり現在5年間となっていることから、有効活用につきましては国での使用期限延長の検討などの方針を踏まえて対応してまいりたいと考えております。

        

下沢順一郎 続きまして、新型インフルエンザ対策と各自治体との現在の連携状況についてお聞きいたします。
 通常、インフルエンザの感染力は非常に強いものであります。流行期に人的被害を防止し、社会機能を維持するためには、市町村との連携が重要と考えられます。しかし、対策の準備としての備蓄品の確保などの財政状況を考えても、一市町村の対応で十分な準備ができるとはとても思えません。
 行動計画改定の折にはこれらのことを考慮され、分野ごとの行動マニュアルと同時に、地方事務所が主体となり、事務所ごとに市町村との連携も含めた行動マニュアルを作成し、管内市町村との連携を図っていくことが必要と思いますが、いかがでしょうか。衛生部長にお聞きいたします。

      
◎衛生部長
兼 病院事業局長
 (渡辺庸子)
お答えいたします。
 県の行動計画1次改訂版は先月30日に策定いたしまして、行動マニュアルにつきましては、今後、分野ごとに関係部局での作成と各地方本部における作成を予定しております。
 この地方本部は危機管理の総合調整が求められることから、地方事務所長が本部長となりまして、発生初期の保健医療対応から大流行期における社会機能維持を含めた市町村、関係機関との連携について、地方事務所と保健所が事務局となり、対策に取り組むこととしております。
 市町村は各地域における住民の安全や生活維持に直結するサービスを担っておりまして、地方本部の行動マニュアル作成に当たっては、県民生活を維持するためにも、市町村との連携や、地域の警察、消防等関係機関及び社会機能維持に関係する事業者との連携を図ってまいりたいと考えております。

      
下沢順一郎

知事にお伺いいたします。
 国立感染症情報センターによると、WHOに報告された人の高病原性鳥インフルエンザ感染確定症例数によると、2003年から2008年5月28日までの確定症例数383例、死亡例数241名であります。この数値で計算すると致死率62.9%であり、10歳から39歳の間で高くなっているのが特徴とされております。
 国の想定、病原性が中程度だと致死率は0.53%、重度だと2%、県の想定、病原性が中程度だとすると最少で1,500人がお亡くなりになる、最大で3,200人、重度だと死亡患者数が1万2,100人と、大分開きがあるようでございます。
 国は全国民分の予防ワクチンを製造する体制を、新型が発生してから半年以内の整備を図るとされています。しかし、この間はタミフルで対応しようとしております。これは今のところタミフルが一番効果が高いということでございますので。心配は、タミフルは発症当日の服用であれば生存率は100%でありますが、2日から4日では44%、7日も経過すると服用しても生存率は18%であるとの調査結果があります。インドネシアの事例でございます。2008年3月4日でございます。
 日本の行動計画によるインフルエンザ警報フェーズは6段階中3A、国外では鳥から人への感染が見られ、国内では鳥から人への感染した患者は発生していないというランクに当たります。しかし、専門家によると新型インフルエンザ発生は時間の問題と言われております。
 県民の生命を守り、社会機能の維持を図るため、国の方針を待つだけでなく、県下独自の調査、対応も考えたほうがいいと思われ、そのためには実際の対応を確認するための机上訓練が必要であろうと思いますが、いかがでございましょうか。

       

◎知事
 (村井仁)
下沢議員から大変重要な問題提起をちょうだいしたと思っております。県といたしましては、現在、手に入る限りの情報を用いながら、一応の対応策につきましては整理をいたしているところでございますけれども、私自身の認識を申し上げますと、先ほど衛生部長がお答えしましたように、38度以上の発熱及び急性呼吸器症状等の身体症状に加えて、感染した、あるいは感染が疑われる鳥もしくは患者との接触歴があるかどうかということが診断のかぎになります。はっきり申しましてこんなことはなかなかわかりにくいことでございまして、新型インフルエンザにかかったということが認知されるまでにどうしても相当な時間がかかる、その間に深刻な事態は既に進行しちゃっているということがこの問題の一番深刻な問題だと。私はそう思っております。
 さらに、今タミフルの効果についてもいろんな御議論がある点についても御紹介がございました。全くそのようでございまして、新しいワクチン、パンデミックワクチンをどうするかというような問題も新しい課題でございます。
 そのような専門家による非常に大変だという警告だけは頻繁に言われておりますが、じゃ、どうしたらいいのかという話になりますと、これこそ解決策だ、これこそ対応策だという手だてが示されていないのが、率直に言いましてこの問題の一番大きな問題点だと思っております。
 そういう意味で、御提言のように机上訓練等をやるべきだという御指摘は全くそのとおりだと思っておりまして、私ども、とりあえずこの問題につきまして対応したことを申し上げますと、先月22日に全国知事会がございました。その際に、国に対しまして、国家的な危機管理の問題として、国のリーダーシップと責務の明確化、法的権限の付与、それから地方自治体等への財政措置について要望いたしております。
 それから、今申し上げましたような危険があることでもございますから、実際の状況を想定した机上訓練、これはできれば年内にもやりたいと思っております。各部局で、現在、行動マニュアルを作成するような努力をしておりまして、机上訓練等で得た改善事項を適宜反映させるような対応をしていくことがいずれにしても大切だと思っております。
        
下沢順一郎 私も、知事が申しておりましたとおり非常にわかりにくいというところで、この検査体制の充実が一番だと思っておりますので、ぜひお願いします。
 それから、机上訓練につきましては、内閣府のほうもやられているようですので、その経過の中から地方自治体も行えというような話もございます。行動をお願いしたいと思います。
 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。
   

 

 

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