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■森田恒雄
   
    

最終質問者としてわずか13分ですが、4点につきまして知事にお伺いをいたします。

 改めて、さきの知事選での当選をお祝い申し上げます。しかも、わずか5000票という僅少差での当選をよき結果と評価する一人です。かつて田中元知事が80万票余の大量得票で圧勝し、結果として、知事が何をやっても県民はついてきてくれると思ったところに施策は乱れて不信を買い、県職員の支持は3.5%、急速に県民の支持を失って退陣することになった経過があるからであります。
 阿部知事は、当選後、全77市町村を訪問して顔見せ、懇談したことを評価し、さらに加えて、あの築後数十年を経過する古い副知事公舎を住居としたことに心から賛意を送ります。
 私は、田中元知事、村井前知事が、その住居がどこであったか知らされず、せんさくすることも嫌でありますから知らなかったが、県の最高責任者の日常の住所を知らないことは決してよいことではありません。
 そして、知事は、村井県政は落ちついた県政を取り戻したが、県政が県民から身近でなくなったと評されました。
 当選後、阿部知事は、県民に顔の見える身近な存在としてスタートしたことを私は高く評価するものであります。質問ではありませんけれども、所見があれば聞かせください。

 では、まず事業仕分けについて知事に伺います。
 知事公約の事業仕分けについて多くの行政関係者、議会からも疑義が出されましたが、私は賛成です。80%の県民も賛同しております。
 信州型事業仕分けで行政の矛盾や問題点を改めると公約をして、県民参加で情報公開の第一歩として活用し県政への関心を高めたい。大変結構なことと私は思います。ちゅうちょすることなく進めてほしい。
 そこで、お聞きしますが、仕分け作業の中で、今必要と思える施策が計画にもない、予算化もしてないとすれば、新しく企画して取り組む、無駄を省く、古いしがらみは正す。反面、新たに必要とするものは取り組む。それが私は真の事業仕分けだと思いますが、どうか。この部分の知事の思いを聞かせください。

 次に、リニア中央新幹線について知事の見解を伺います。
 大きな国家的プロジェクトでしょう。東京−大阪間を75分で結ぶ夢の超特急。停車駅、各県1駅。県内通過が想定されるだけに関心を持たれるのは当然であります。JR東海は、1年も早く着工を目指し、方線や地形・地質調査など進めております。JR東海は、実験線において世界最速時速580キロを記録し、実験段階から進めて早期に営業運転を実現し、持てる技術、ノウハウを世界の大陸へ売り込んでいくことを目指していると言われております。
 20年も前の平成元年、我が県議会が満場一致でBルート、すなわち伊那谷ルートを決議しましたが、当時、南アルプスルートのCルートは夢のまた夢で問題外でありました。上伊那や諏訪の議員や住民の皆さんがBルートを求めるのは至極当然であると思いますが、20年を経て調査の結果、技術的に南アルプスルートが建設可能と打ち出し、急浮上してきているわけであります。
 先日、私は、関東豊丘会総会に出席した折、その席でリニアに詳しい方から話を伺いました。Cルートで天竜川を明かりで渡っていっても飯田が主張するJR飯田駅併設は無理、私たちが想定していた岐阜県の中津川は通らない、もっと東を通るとの話でありました。
 地域で要望はいろいろあるのは当然でありますが、JR東海が政府の財政支援を受けず自前で1年も早く着工をと推進している以上、長野県としては、JR東海にルート、駅設置位置など任せて、進行にブレーキをかけることなき対応が最も大切と私は考えます。しっかりした知事の見解を伺っておきたいと思います。

 次に、満蒙開拓平和記念館建設について知事に要請し、納得し得る答弁を求めたいと思います。
 私は、今期をもって県議の席を退席させてもらうことにいたしましたが、満蒙開拓の悲劇を直接感じてきたものの一人として、過去6回、この場で質問、要請をし、引揚者による慰霊団の派遣、引揚者自立研修センター飯田分室の設置、引揚者に対する日本語教育の実施。平成16年には、引揚者の自立、年金欠格に対して、県独自で県下250人余の方々に月3万円の支給を愛心使者事業として実現されました。それぞれ県として努力されたことに感謝をいたします。
 今回、集大成ともいうべき満蒙開拓に特化した記念館を、全国で最も多く送り出し、最も多くの犠牲を出した飯伊へ建設しようと平成18年の飯田日中協会の総会で採択をして4年、河原進会長を先頭に、みんなで努力し、募金活動を進めてきております。

 風化していく戦争。満蒙開拓の史実。日本があの戦争で何を学んだのか、アジアから世界から問われている。それに対する答えの一つとして拠点施設をと立ち上がったのであります。
 戦後65年、次々亡くなっていく体験引揚者、全国で唯一残って活動していた長野県開拓自興会も、去る9月12日、解散となりました。話せば長い長い悲しみ、苦しみの物語であります。
 飯田日中が主催して、8月21日から8日間、県の元気づくり支援金で会館建設予定の阿智村において満蒙開拓歴史展を開催し、予想をはるかに超える1,800人の方々が入場されました。6日間は18人の開拓体験者による語り部、最終日は県短期大学の上條宏之先生を初め4人によるリレー講義と、改めて当時をしのび、会場は涙の顔、顔でありました。
 私たち飯田日中会員は、引揚残留孤児、婦人の人たちの、私たちは国に3度捨てられたという叫び。すなわち、世界最強と威張っていた関東軍が、我々が守るからしっかり農業生産に励めと言っておきながら、ソ連参戦を先にキャッチした軍は、開拓団に告げもせず、先に逃げて置き去りにされたこと、侵略への加担という負い目と痛ましい多くの犠牲、悲惨な体験から悲劇の史実を振り返ろうとしてくれなかったこと、帰国しても年金も保障もなく、差別されたことと、その訴えに胸が詰まります。
 そして、昭和20年8月9日のソ連参戦から以降の逃避行で、これ以上私たちは歩けませんといって橋の上から子供を川へ投げ込む母親。子供を背負ったまま深い川の中へ沈んでいった母親。僕はまだ死ぬことは嫌だと逃げ回ったけれども、現地召集されたお父さんのところへみんなで行くんだよとなだめられて集団自決した私の同級生。それら開拓団の人々が、政府や県や村にだまされた、悔しいと言って死んでいった悲痛な叫びは忘れてはならないと思います。
 さきに述べたリレー講義の中で、県短大の上條学長さんが、昭和20年8月15日、すなわち終戦の日の朝、5人の青年が最後の徴兵を受けた、それらの青年は軍幹部の引揚荷づくりを手伝わせたのではないかとの話を聞かされ、怒りを改めて覚えました。
 しかも、それら幹部軍人は、先に引き揚げた後、佐官級で年金を257万円受給していることを私は調査してみてわかりまして、唖然といたしました。
 そしてまた、私の住む旧河野村、国、県の強い要請で開拓移民を送り出した胡桃澤村長(当時43歳)は、終戦の翌年、結果として開拓団を送り出すゴーサインを出したのは自分ではなかったかと苦しみ、悩み、みずから命を絶ちましたが、毎日つづった日記の最後で、善悪に関せず、強い者が勝ち残り、気の弱い正直者は滅し去るのか、それとも正直者が生存し続けていけ、正しからざる者が成敗されゆく日があるのかと痛烈に国、県の強者を批判されておるのであります。
 かつて、吉村元知事、田中元知事が、県として責任を感じている向きの答弁がありましたが、村井前知事の国の動向を見てとの答弁には私はがっかりいたしておりました。
 阿部知事には、今ごく一部の満蒙開拓の悲劇を述べましたが、長野県にも国と並んで大きな責任があったことを御認識いただきたいと思います。
 平和記念館の建設は、悔やんで大陸に命を捨てた人々の慰めの館でもあります。そこで、知事はどう認識をされておられますか。
 今まで実行委員会として何度も要請をしてきましたが、建設に対して県としての支援、援助の考えをお持ちかどうか。お伺いをいたします。
 あわせて、平成16年2月県会で愛心使者事業についての答弁で、当時の田中知事は、つけ加えまして、満蒙開拓問題は戦時に起きたことであり、国会の場で当時の菅直人議員が坂口厚労相に対して、国として戦時に起きた問題としてきちんと手だてすべきではないかと迫ったと答えております。知事はそのとき副知事としてその場におられたわけでありますから、現菅総理にも、そのことを踏まえて、しっかり要請して、国としての責任ある支援を求めてもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。

 次に、児童虐待及び高齢者虐待について伺います。
 知事は、選挙公約パンフレットで、児童虐待対策を真剣に考えるとしております。昨今の社会経済状況からして児童虐待を受けている実態がニュースにもなる今日、厚労省資料で見ますと、平成11年で全国の虐待相談数の1万1,631件が平成21年では4万4,210件へと10年で3.8倍と増加しております。
 まず、本県の相談件数は何件かをお聞きし、永井議員からも同様質問がありましたが、私からも早急に施策を求めたいと思いますが、どのような対策を考えておられるか。お尋ねをいたします。

 続いて、高齢者虐待についてお伺いをいたします。
 20年度の虐待判断件数は同じく厚労省資料で約1万5,000件で、19年と20年の比較では1年で約1,600件増加とありまして、平成18年4月の高齢者虐待防止法施行から4年目に入り、市町村への通報件数は増加しているとしております。
 本県の件数はどうか。これまた対策強化を求めます。明確にお答えいただきたいと思います。
 以上で第1回の質問を終わります。

          

◎知事
 (阿部守一) 

 

森田議員の御質問に順次お答えを申し上げたいと思います。

 まず、今日までの取り組みということでございます。
 人生の先輩でもあり、また村議会議員、県議会議員として半世紀以上にわたりまして地方自治の振興に携わってこられました森田議員から、これまでの取り組みについて御評価いただき、心から感謝申し上げたいと思います。
 知事に就任して1カ月過ぎたわけでありますが、改めて、知事としての使命、そして役割の大きさ、責任の重さに身の引き締まる思いでございます。
 県民の皆様方の負託を先ほど御紹介いただきましたように僅差でいただいたということも含めて謙虚に受けとめさせていただいて、これから県民の皆様と一緒になって県政改革、県政運営を行っていきたいと考えております。
 田中知事、村井知事、そして私へと県政運営の責任者が引き継がれてきたわけでありますので、過去にとらわれることなく、いいことはしっかりと引き継いで伸ばしていく、そして変えるべき点は勇気を持って変えると。そういうスタンスで、未来に向かってこの長野県に本当に暮らしてよかったと思えるような県にするために全力で取り組んでまいります。
 事業仕分けの関係でのお尋ねでございます。
 事業仕分け、議員から御指摘ありましたとおり、行政は常に時代の変化にあわせて見直し、そして対応していくということが基本だと考えております。信州型事業仕分けにつきましては、政策、施策目標実現のための手段であります事務事業につきまして、その必要性、そして実施主体としてどこが適当かなどを外部の視点から点検をするものでございます。そうした観点で、森田議員おっしゃった視点にかなうものというふうに考えております。
 年度内の実施を目指して進めてまいりますが、代表質問、一般質問を通じてさまざまな御意見あるいは御提言をいただいたところでございます。そうした御意見も踏まえて詳細な制度設計を進め、着実に実行してまいりたいと考えています。

 次に、リニア中央新幹線でございます。
 一昨日、金子議員の一般質問に対してもお答えいたしましたとおり、リニア中央新幹線については早期に整備すること、これは基本的に重要であるというふうに考えております。
 ルートにつきましては、地域の振興という観点から、県内各地域において最大の効果が得られるようにすることもまた重要と考えております。
 ルート別にさまざまな課題がありますが、長野県民の利便性がリニア新幹線が整備されることによって損なわれるようなことがあってはならないというふうに考えております。こうした課題についても明らかにした上で、その対応、現在、交通政策審議会で議論されているわけでありますけれども、こうした点についてもしっかりと対応していくことが重要だというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、最終答申に長野県として本当によかったと思えるような結論が盛り込まれるように、議員から御指摘あったようなブレーキをかけることがないように対応してまいりたいと考えています。

 次に、満蒙開拓平和記念館についてのお尋ねでございます。
 これは、満蒙開拓の歴史展、私も、選挙期間中、阿智村で拝見をさせていただきまして、関係者の皆様方ともお話をさせていただきました。本当にこれまで満蒙開拓で努力をされていらっしゃった皆様方に敬意を表したいと思いますし、関係の皆様方の熱意と献身的な活動に対しても改めて敬意を表したいと思います。
 長野県、国の方針のもと、官民一体の勧奨で満州への移民も含めて満蒙開拓を進めたわけでありまして、長野県としては全国最多の3万3,000人の団員を送り出して、敗戦において本当に悲惨な逃避行を余儀なくされるなど、結果として1万5,000人ものとうとい県民の命が犠牲になったわけであります。この歴史に残る悲惨な出来事をしっかりと正確に後世に伝え、平和のとうとさを発信していくということが私どもの責務であるというふうに考えています。
 平和記念館の建設に当たりましては、先般、準備会の皆様方ともお話をさせていただきました。まずは国がしっかりと対応していただく必要があるだろうというふうに考えております。まず国を動かすには、ほかの都道府県、あるいは県内の市町村との協力という点も私は重要だというふうに考えております。
 県といたしましては、これから準備会さまざまな活動、国への要請も含めて、されていかれると思いますが、そうした点について積極的に支援をしてまいりたいと考えておりますし、国に対しても支援を求めてまいりたいと考えております。

 次に、児童虐待及び高齢者虐待についてのお尋ねでございます。
 県内の児童相談所における児童虐待対応件数は、児童虐待防止法施行前の平成11年度が164件だったのに対しまして、平成21年度、10年後でありますが、517件と約3倍になっております。
 児童虐待の防止に関しましては、子育てに悩んだときや児童虐待が疑われる場合の相談、通告先をさらに周知徹底するとともに、児童の相談・援助活動に携わる職員の専門性の向上、現場で福祉、教育、警察などさまざまな関係機関が連携して迅速に対応できる体制整備などが課題であると考えております。
 こうした課題に対応するため、一般県民あるいは関係者を含めてさらなる広報啓発を進めていきたいと考えておりますし、また、困難事例に対応するための職員の専門能力向上のための研修も行ってまいります。また、現場における警察などとの連携強化を行ってまいります。
 既存の長野県児童虐待・DV被害者支援連絡協議会というものがありますが、さらに発展、充実した組織となるように取り組んでまいりたいと考えています。
 未来の地域の担い手であります子供たちが将来に希望を持って伸び伸びと健全に育つことができる環境づくりに努めてまいりたいと思いますし、児童虐待の問題は命にかかわる問題であるということで、重大な課題であるということでしっかりと受けとめて対応してまいります。

 次に、県内の高齢者虐待の状況とその対策ということでございます。
 平成21年度の県内の高齢者虐待件数は247件ということで、ほぼすべてが家族等によるものでございます。高齢者虐待防止法が施行された平成18年度以降、毎年200件以上もの虐待が発生して本当に残念かつ憂慮すべき状況だと考えております。
 この虐待、家庭内で起こることが多く、顕在化しにくいわけであります。県民の皆様一人一人が虐待防止に対する認識を高めていくとともに、高齢者の方々の状況を日ごろから地域で関心を持って見守るということも大切だと考えております。
 虐待防止に当たりましては、市町村が高齢者や養護者に対する相談や助言、関係機関との連携・協力体制の整備といった責務を負っているところでありますが、県としても、虐待防止講演会等意識啓発事業の実施、あるいは早期発見・見守りネットワークを地域につくるに当たっての人材育成などを通じまして市町村を支援しているところでございます。
 虐待を受けている子供たち、あるいは高齢者、また家族などへの支援を進めるためには、行政だけではなくて、本当に多くの関係者の皆様方が協力して、地域で温かく見守ることができる仕組みをつくっていくことが大切だと考えております。
 これからも、引き続き、市町村、あるいは県の各種支援機関、あるいは地域の皆さんと一緒になってさらなる取り組みの推進に努めてまいります。
 以上です。

        

■森田恒雄

満蒙開拓記念館についてです。これは、県が全国に先駆けて、引揚者、年金がない、悔しい、月3万円ずつ、県下引揚者の二百五十数名に出してもらった。それが起爆になりまして、私も国会議員に話をして予算委員会で追及してもらいました。結果として国が対応することになったわけです。ですから、県から国を動かした結果がそういういい方向に動いたわけです。
 この記念館につきましても、今、積極的支援をと言ってくれましたですが、県がまず具体的に支援をしてもらって、それに基づいて国に強く、先ほど申し上げましたように菅総理があのときに言ったことですから、今総理大臣としてあのときのことを覚えていますかと、そのくらい強い気持ちで知事にはわたりをつけてもらいたいと思います。

 それから、リニア中央新幹線につきましては、これは、ブレーキをかけることなく、JR東海に任せることが一番です。いろいろ異論はあると思うんですけれども、まさにそれが一番。早く実現をすることが、日本国的にも、そして私たち長野県にも求められておることだと思いますから、そうした点を踏まえて、知事にはしっかりとそうした方向で取り組んでいただきますことを心から要望をいたしておきたいと思います。
 ちょうどゼロになってしまいましたから、以上で私の質問を終わりたいと思います。どうか心に受けとめていただきたいと思います。ありがとうございました。


 

 

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