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 > トップ    > 議会だより  6月定例会[下沢議員]

 

 

■下沢順一郎        

おはようございます。日本のサッカー代表、本当にワールドカップ決勝トーナメント進出おめでとうございます。朝から大変な盛り上がりでございまして、あやかって私の質問の答えも元気よくいい答えを御期待申し上げたいと思います。よろしくお願いいたします。

 それでは、村井県政のこれまでの取り組みと今後の施策の展開につきまして、私の過去の質問をもとに、1回目は知事に、2回目を副知事と各部長にお聞きしてまいります。

 まず、FDAについてお聞きします。
 日本航空の経営危機の折における迅速なる判断について立ちおくれた他の地方空港の現状を見ていますと、FDAとの交渉、そして就航に至る経緯は大いに評価するものであります。結果、長野県の空の港が確保できました。しかし、身軽になった信州まつもと空港を確立していく作業が残っています。松本空港の魅力づくりはこれからです。
 地ならしをしたところで知事は去ってしまうわけですが、松本空港の将来に期待することをお聞きしたいと思います。
 続いて、COP10についてお聞きします。
 本年10月、名古屋市で開かれる第10回生物多様性条約締約国会議、COP10については、本年2月議会における私の質問に対する答弁の中で、積極的に参画し、各県とも連携をしながら取り組むとされていました。また、COP10の開催を機に、生物多様性確保に関する施策を一層充実していく旨も答弁されています。
 今後、それらが充実していくような対策についてどのように進められていくおつもりなのか。お聞きします。

 続いて、企業の海外戦略並びに農産物のマーケティングについてお聞きします。
 この6月補正には、アジア圏市場進出スタートアップ支援事業費として1,385万5,000円が計上されています。高い成長が見込まれるアジア市場への県内企業の進出を促進するため、その情報提供などを行う支援員を配置するとともに、海外展示商談会への出展を支援するとされています。県内企業の閉塞感を打破するためには海外市場の開拓が重要であるという点で、この事業費の計上に私は評価するものでありますし、もっと早くに手をつけていてもよかったのではないかとも思っております。
 通産官僚の経験もある知事の海外展開への思いをお聞きします。
 また、国内においても、企業誘致策として中京・関西圏の営業力強化を図るため、平成20年、名古屋、大阪事務所を復活しています。それまでは観光協会が主体であったものを長野県の県外事務所として明確な位置づけをし、観光だけでなく、企業誘致、農産物販売にと、田中前知事では過小評価されていましたが、実は相当に大切な部門であるこれらについて積極的に取り組むための体制を整備したことを評価するものであります。

 私は、今後もこのような長野県の県外事務所のさらなる充実が必要だと考えますが、知事の考えをお聞きします。
 平成20年度に農政部内に設置した農産物マーケティング室を中心として、大都市においてアンテナショップの設置や、売り手と産地を結びつける商談会の開催など、県産農産物の販路拡大を行うことになりました。また、東京、名古屋、大阪に設置しているマーケティング担当職員による情報収集、発信が進められるとともに、東京、神奈川などの大都市圏の量販店や高級スーパーに専門販売員を派遣し、県産農産物の販売促進を行っています。以前私も同行した農協関係者の都市部での農産物販売状況調査においても、マーケティング担当者の情報収集力を見せていただきました。
 したがって、これまで長野県農産物の販売に足りなかった行政における営業部門の担当を積極的に県庁内に設置したことを評価するものであります。そして、この部署は、国内はもとより、国外においても県産農産物のブランド力を上げるため、台湾、中国、タイへと販売網を広げていきました。私は、このように、国内、海外を問わず販売網を広げていくことが長野ブランド力向上の手助けとなり、大切なことだと思っています。
 そこで、村井知事に、農産物のマーケティングをどのようにとらえているのか、また、海外においてトップセールスをされた活動から感想も含めてお聞きします。

 続いて、中信地域の交通対策についてお聞きします。
 中信地域の高規格な道路網はというと、中部縦貫自動車道では安房トンネルの無料化社会実験も重なり、観光上、岐阜県側に有利な状況です。松本糸魚川連絡道路は、雨中地区や大町市内などでまだ解決すべき問題があり、松本・佐久高規格道路に至っては県のマスタープランに再度掲載されなければなりません。また、特急「あずさ」の高速化にも今後多額の費用が見込まれ、どこまで時間が短縮されるのかまだまだ相当な努力が必要であると思われます。
 御当地から衆議員として選出された知事としては、これらの問題についてこれまでも相当に危惧されていたことと推察されます。
 そこで、中信地域の高規格な道路網の現状や将来像についてどのように考えているのか。お聞きします。

 続いて、県短期大学4年制化についてお聞きします。
 第2回の検討委員会では、長野県の高等教育において県が果たすべき役割、今後の社会においてどのような人材を育成すべきか、長野県短期大学が今後目指すべき方向性が話し合われ、第3回では、それをもとに、長野県短期大学を4年制に移行する場合の基本的な考え方をたたき台として議論されています。この展開ではまさに4年制に移行することが前提の話し合いのようです。
 そこで、確認をしておきたいのですが、知事の考える長野県短期大学の将来とはどのようなものであるのか。お聞きします。
 また、県立の高等教育機関を統括している部署を設置する必要があると考えるものですが、いかがでしょうか。
 11月議会の私の質問に対する答弁では、各部局が所管して効率的な連携を図っていくことが今の段階ではより適切な対応ではないかという知事の答弁がありました。現段階でも同様な考えであるのか。
 以上、知事にお聞きいたします。

          

◎知事
 (村井仁)

下沢議員から広範な主題につきましてお尋ねをちょうだいしました。順次お答えを申し上げます。

 まず第1に、松本空港の将来に期待することは何かというお尋ねでございます。
 私が知事に就任しましてから、たまたま日本航空が機材繰りの関係で松本空港の主要路線を廃止すると言ってまいりましたこと、そして、あげくの果ては日本航空が立ち行かなくなったのでやめると言ってきたと。二度にわたって松本空港発着路線がなくなるかもしれないという危機に際会したわけでございますが、そのたび、半世紀にわたる長い歴史を持つ、県民の貴重な財産でございます長野県唯一の空の玄関口、これを何とか維持したいという思いで、県会の皆様方のお力をちょうだいしながら、何とか今日に至ったわけであります。
 とりわけてFDAの鈴木与平社長の英断によりまして札幌線と福岡線ともどもいち早くジェット化ができたということは本当にありがたいことだと思っておりますし、地元の盛り上がり、また経済団体の御協力、これもあずかって力があったと思っております。
 何より大事なことは、私は、しかし、自分たちの空港、これは自分たちで守って育てていくという認識を改めて県民の皆さんに持っていただきたいと思いますし、そういうお一人お一人の取り組みが積み重なってこそ、将来、横田空域が返還されることが前提でありますけれども、羽田との多分30分程度のつながり、それから沖縄路線でありますとか、こういった新たな路線、そしてアジアのハブ空港として定着しつつあります仁川空港への路線開設というような新しい展開が期待できるのではないか、こんなふうに思っておりますし、それがひいては長野県の観光振興、そして経済発展の拠点になればありがたいなと、こんなふうに思うところであります。

 二つ目に、生物多様性の確保につきましてお尋ねをちょうだいしました。
 この地球上では、多様な生き物がさまざまな関係でつながり合い、私たちの命と暮らしを支えているということを私どもは認識しなければならないと思っております。国際生物多様性年でありまして、また我が国でCOP10が開催されるこの機会に、県民もこの主題につきまして理解と関心を深めていただければありがたいな、このように念ずるところでございます。
 県の具体的な取り組みといたしましては、この4月に、環境審議会に生物多様性長野県戦略(仮称)の策定につきまして諮問をいたしまして、専門の委員会を設置して議論を始めていただいたところであります。地域戦略は、地理的に大変広い地域をカバーし、しかも標高差が大変大きいこの長野県の特性に応じた生物多様性の保全や持続可能な利活用に関する目標、施策等を定めるものでありまして、今後の県の取り組みのよりどころになるべきものだと思っております。
 また、県民の貴重な財産でございます希少な野生動植物の保護にも取り組んでおりまして、既に保護回復事業計画がございますライチョウやオオルリシジミなど7種類の動植物に加えまして、今年度は県内各地で淡い紅色の花を咲かせるササユリについての計画を策定する予定と承知しております。

 そのほか、信州環境フェアを初めさまざまな機会に県の取り組みをPRするなど、生物多様性への県民の御理解を深めてまいりたいと思っております。

 3番目に、企業の今後の海外展開についてお尋ねをちょうだいしました。
 私も、考えてみますと、通産省に勤務いたしましたころ初めは輸出促進ということが私の主題でございましたが、ある時期から、日本にとりましては余りにも輸出が出過ぎちゃったものですから輸入をふやして何とか各国との調整を図っていかなきゃいけないというような局面にも際会しまして、非常に複雑な心境を覚えながらいろいろ仕事に携わったことを思い出しながらでございますが、改めて今我々が考えなければいけないのは、2008年秋からの金融危機以来低迷してきている我が国経済、さらには長野県経済、ここへ来てようやく持ち直しを見ているわけでありますが、それでも円がまた少し高くなってきたというようなことがございまして、何とかここで成長著しいアジア圏の牽引力、こういうものにあやかりたい、そういうものに何とかかかわっていきたいという時節になっていると思われます。政府の新成長戦略にも同じようにアジア圏とのかかわり合いを示されているところでございます。
 具体的には、アジア圏諸国におきましては、経済成長に伴いまして中間所得者層が大きく伸びておりまして、かつてのように低廉で豊富な労働力を求めるばかりではなくて、マーケットとしてのアジアへの展開、これがポイントになってきているのではないかと思っております。そういう意味では、まず、海外市場が持つさまざまな特性、またその背景にあります文化ですとか習慣を知って、その上で、現地顧客のニーズを的確に把握し、ビジネスチャンスを見出していく、こういった心がけが大切なのではないかと思います。
 今回、御審議もお願いしております予算に含まれますアジア圏市場スタートアップ支援事業というのは、こうした観点からアジア市場への展開を図る県内企業を支援しようというものでございまして、長野県の企業がその特色でございます高度で信頼性のある技術力を生かしながらアジアの市場でビジネスを展開すること、それが長野県のものづくり産業の飛躍につながる、こういうことになっていけばいいな、こんなふうに思っているところでございます。

 続いて、名古屋、大阪両事務所についてお尋ねをちょうだいいたしました。
 平成14年度末で一たん廃止になりました両事務所を、平成19年度に、企業誘致、観光振興、あるいは農産物の販路拡大等に取り組ませるために再設置をしたわけでございますが、企業誘致の分野では、誘致対象企業との近接性を活用することによりまして、現在の厳しい経済情勢の中でありましても関与した企業立地が3年間で10社になるなど、毎年着実な実績を上げております。

 観光面では、メディアや旅行業者への積極的な情報提供、観光展の開催等によりまして県内への誘客を推進しておりまして、名古屋、大阪両事務所への来訪者も年々増加しております。
 農業の面では、農業生産団体と連携しまして、大阪、名古屋、京都といった大都市における県産農産物の展示販売によりますPRや、従来進出しにくかったロットの小さな特産品等の新たな販路拡大も図られてきていると見ております。
 これらの成果を見ましても、県の情報収集、情報発信という面でこうした県外事務所の機能は大変重要であると認識しております。とりわけて、東北信はどちらかというと東京、関東地域に対する志向が強いわけでありますが、中南信地域におきましては明らかに中京地区あるいは近畿圏、こういったところへの関心が深いわけでございまして、そういう意味では、県全体の産業基盤強化、こういう観点からは両事務所の持つ役割というのは非常に重要だと私は思っております。

 続いて、今後の農産物マーケティングの展開についてお尋ねをちょうだいしました。
 農産物マーケティング室の設置やその取り組みを御評価いただいたということは大変光栄に思います。昨年、トップセールスのために台湾を訪問いたしましたが、観光と一体となった農産物輸出へのパイプを一層深くすることへの手ごたえを感じましたことに加えまして、ちょうど残留農薬問題が台湾につきましては大きな課題でございました。それが日本の農産物を台湾に輸出します一つの障害になっているというような問題がございましたので、国会議長に相当する立法院長とお目にかかりましたり、それから農林水産省に相当します行政院の農業委員会のナンバーツーと会うことができまして、ちょうど南部で災害がありましたために委員長とは会えなかったんでありますが、この残留農薬問題につきまして強く要請をいたした次第でございまして、本来国が行います対外交渉の一つのお手伝いはできたんではないか、そんなふうに思っております。
 行政における農産物のマーケティングは、まず県産農産物の認知度を高める取り組みが重要でございます。これまで、信州サーモン、リンゴ3兄弟、信州プレミアム牛肉等の県オリジナル品種のブランド力の向上、あるいは観光や食品産業との連携強化と地域食材の活用、さわやかですとか健康長寿といった長野県のイメージを生かしたPRなどに努めてまいったところでございまして、今後とも、県産農産物の海外を含めたマーケティングは、農政、商工労働、観光など関係部局が企業や関係団体と一体となって継続的に推進することが重要だと思っております。
 とりわけて、こういった営みというのは続けなければいけないわけでありまして、私は、加工した農産物とも言えるんでございますけれども、例えば県産ワインですとか日本酒ですとか、こういうものにつきまして田中前知事のときにつくられましたいわゆる原産地呼称管理制度、これは本当にすばらしい制度だと思っておりまして、これを何とか継続してそして実のあるものにしていきたい、とりわけて力を入れてまいったつもりでございます。
 考えてみますと、ナポレオンがAOCをつくりましたのが約200年前でございますから、それが今のフランスの定評あるワインの品質というものをつくっている。こういうものをいっときのものにしてはいけないんでありまして、守るべき制度というものはきちんと維持していかなければいけない、こんなふうな心がけで取り組んでまいったことを付言させていただきます。

 中信地域の高規格な道路網の現状、将来像についてお尋ねをちょうだいいたしました。
 高規格幹線道路につきましては、上信越自動車道、中部横断自動車道、三遠南信自動車道、中部縦貫自動車道の整備促進に取り組んで、それぞれ進展を見た次第でありますが、中信地域の高規格な道路網は、松本を中心としまして、長野自動車道と松本糸魚川連絡道路が南北の軸、中部縦貫自動車道が東西の軸としてネットワークが形成されると、このように基本的には認識しております。
 この中の中部縦貫自動車道の関係では、懸案となっておりました奈川渡ダム付近の道路整備につきましては、一昨年11月、当時の金子国土交通大臣から国直轄での整備を約束してもらったわけでありますが、本年度の事業着手が見送られて大変残念に思っております。しかし、引き続き調査は行われておりまして、来年度の事業着手に向けて強く働きかけをいたしているところでございます。
 松本糸魚川連絡道路につきましては、一昨年10月、ルート案を公表いたしまして、現在調査を進めるなど整備に向けて動き出しております。早期の事業着手に向けて鋭意取り組んでまいりたいと思っております。
 地域の産業、経済の発展、観光振興には何と申しましても道路ネットワークの構築が不可欠でありまして、国と連携して強力に整備を推進したいと存じます。

 長野県短期大学についてお尋ねをちょうだいいたしました。
 2月に設置いたしました長野県短期大学の将来構想に関する検討委員会では、これまで、長野県の高等教育において県が果たすべき役割でありますとか、今後の社会においてどのような人材を育成すべきか等について議論を重ねてきたところであります。
 総じて、県立短大を4年制に移行すべきである、こういう意見が多いのでありますが、具体的にどのような分野の人材を育成するべきか、いかなる特色を打ち出すべきかなど、目指すべき大学像もなしに4年制化の判断をすることはできないと考えております。
 このため、現在、その具体的な中身につきましての議論を進めていただいているところでございまして、いずれにしましても、現在の県短大は創立80年の歴史の中で1万3,000余名の人材を世に送り出し、長野県の高等教育の振興に十分な貢献をしてきた、そういう組織であると考えておりますが、今後を見据えると、高等教育を取り巻く環境が大きく変化する中、県短大が将来に向けて県民や社会のニーズにこたえられるように新たな大学像を見出していくことが必要ではないか、このように考えているところであります。

 最後に、高等教育機関を総括する部署をつくったらどうだという、昨年11月議会でもお尋ねいただいたことでありますが、私は余り考え方は変わっておりませんで、県立の高等教育機関は、それぞれ法律上の位置づけでありますとか設置目的が異なることに加えまして、例えば県の職業能力開発計画に基づいて県内産業に必要なものづくり人材を育成する工科短期大学校については商工労働部が管理運営するなど、県の施策との一貫性や高い専門性からそれぞれの部局が所管する現在の形が最も適当なのではないか、私はそう思っております。
 なお、長野県短期大学の将来構想に関する検討委員会におきまして、県立の高等教育機関同士の連携、相互補完によりそれぞれ効率的な運営を図ってはどうか、こういう意見も出されているところでございまして、今後、県短大を4年制に移行する場合の大学像について具体的な議論を進める中で、議員御指摘のような各教育機関の実態に即した効果的な連携のあり方等についても検討をしていただかなければならない、こんなふうに思っているところであります。

        

■下沢順一郎

知事におかれましては、県に対しまして引き続き御指導いただければ大変ありがたいなと思うような発言でございました。
 まず、FDAについてですが、6月7日より10日まで九州方面へ会派の人たちとFDAを利用いたしました。乗り心地は大変よかったのですが、残念ながら福岡―松本便の乗客数は少ないのが気になりました。松本空港管理事務所での視察の折いろいろとお聞きしますと、この早朝の時間帯はどうやら不評であるということと、ただし九州の山岳関係者には逆に好評のようであるということでした。
 そこで、運航時間の問題や、福岡空港から先の沖縄、韓国などの路線を開拓し、さらに利用しやすい空港となるように取り組む必要があるのではないかというふうに考えますが、いかがでしょうか。企画部長にお伺いいたします。

 また、観光面でも、魅力ある県内ツアーをもっとPRし県外からのお客さんを呼び込むことが必要であると考えますが、この点を観光部長にお聞きいたします。

 板倉副知事は、JAL最終の福岡便で福岡に行き、翌朝にはFDAの福岡からの第1便にて松本に戻ってこられました。また、副知事自身、熊本県総務部長、福岡県北九州市の助役としての経歴をお持ちです。そこで、FDAを実際に利用されての感想を含め、この路線のためには何が必要であると考えられるのか。板倉副知事にお聞きいたします。
 中信地域の交通対策についてお聞きします。
 松本都市圏総合都市交通体系調査が、平成20年から22年までの間の3年間実施されています。平成20年度はパーソントリップ調査などの基礎的な調査を行い、平成21年度から具体的な解析、幹線道路網や公共交通機関の検討などが行われる予定となっております。
 平成20年度の調査結果の分析と、中信地域の道路網の整備、公共交通の活用など今後の進め方について建設部長にお聞きいたします。

 県短期大学についてお聞きします。
 第3回の資料に、4年制に移行する場合の財政試算について資料が添付されております。西沢議員、そして今井議員のほうから初日に質問がございましたが、これによりますと、現在の短大の入学定員と同数とした場合の1案から、定員数を1.5倍とした2案、定員数を2倍とした場合の3案まで比較されております。
 支出については、県短の平成21年度予算6億7,600万円に対して、1案16億6,100万円、2案17億9,700万円、3案19億6,400万円ということです。その財源内訳の中の一般財源は、財源額は県短3億7,000万円、1案10億3,900万円、2案8億7,400万円、3案7億3,900万円と少なくなっていくと計算されております。これは、交付税措置が将来にわたって十分計算されているという前提となっているというふうに考えます。
 また、初期投資額は、一番安く見積もって、現在の敷地で定員数が同じであり古い校舎を大規模改修することを基本とした場合の約20億円、定員数が2倍で現在の敷地で古い校舎を解体し新校舎を建築することを基本とした場合は約55億円とのことです。
 さて、これらの試算結果についてどのようにとらえ、今後の議論に生かしていくつもりなのか。企画部長にお聞きします。

       

◎企画部長
 (望月孝光)

2点質問をちょうだいいたしました。
 まず、松本空港に関しまして、ダイヤの改正あるいは新たな路線の開拓など、さらに利用しやすい空港にというお尋ねでございますけれども、福岡線は、正直申しまして、長野県にとって、あるいは九州にとりまして決して使いやすいダイヤとは言えないところですけれども、FDAにおきましては、現在たった3機で7路線を運航していることからダイヤ編成に当たりましては相当の御苦労をされまして、結果として松本空港路線に1機をほぼ導入する形で現行のダイヤになったものと伺っております。
 現在、FDAにおきましては、この秋に新しい機材が導入されることを踏まえまして、来年4月以降のダイヤについても鋭意検討していただいております。県といたしましても、空港の運用時間の延長等が必要となれば適切に対応してまいりたいと考えておるところでございます。
 また、新規の就航路線についてでございますけれども、今申し上げましたように、FDAについても機材に限りがございまして直ちに定期路線を開設するということは難しいわけでございますけれども、この秋にも2機が追加投入されるという形でお伺いしていますので、できれば試行という形で新しい就航先へのチャーター便をお願いできないかと、こういったことも要請しているところでございます。
 いずれにしましても、FDAの就航開始からまだ1カ月も経過しておりません。まずは福岡、それから札幌線の利用率の向上が不可欠だと思っております。県といたしましては、FDA運航支援会議等を通じましてFDAとも十分意見交換を行いまして、引き続き一層の利用促進に努めてまいりたいと考えております。

 次に、県短期大学を4年制に移行した場合の財政試算のお尋ねでございます。
 この試算でございますけれども、検討委員会の開催のときに仮に4年制に移行した場合に県の財政負担というのはどのくらいになるのだというようなお尋ねがございまして、お話ございましたように第3回目の検討委員会でお示ししたものでございます。この試算の前提条件といたしましては、現在の県短の学科をまず基本にいたしまして、それが4年制に移行した場合に、定員を1.5倍、2倍までと仮定しまして、どの程度の経費が必要になるかを文部科学省の大学設置基準、それから他県の県立大学の例を参考にいたしましたり、現行の交付税制度、そういったものをもとに試算したところでございます。
 申し上げますと、運営経費につきましては、現在の県短では年間約7億円弱です。入学定員を現在と同数として4年制化した場合の運営経費は17億円弱と見込んでおります。そして、さらに入学定員を現在の2倍とした場合には、全体の学生数というのは4倍になるわけでございますけれども、運営経費は20億円弱ということで3億円程度の増というふうに一応見込んでございます。これは、入学定員がふえても必要な教員の人件費等はそれに正比例してふえるわけではないということなどが要因になっております。
 また、定員がふえるほど、授業料収入、それから現行の交付税措置、こういったものがふえてまいりますので、県の実質的な負担額というのは少なくなってくるというのが一般的に言えるのではないかと思っています。
 したがって、例えば入学定員を現在と同数とした場合は、県の純粋な一般財源、こういった持ち出しは7億円強という形になりますけれども、仮に入学定員を現在の2倍とした場合は県の純一般財源というのは1億5,000万程度となるのかなと。現在の短大の運営経費とほぼ同額になろうかなと、こういった試算をしてみたところでございます。

 このほかに、老朽化している県短の施設、それから生徒数の増加に対応するため校舎を大規模改修、あるいは場合によると新築する、こういった必要がありますけれども、初期投資額もそれぞれバリエーションによって異なりまして、お話ございましたように約20億円から55億円とかなりの幅が出てまいっております。
 こういった試算ですけれども、運営経費も初期投資額も具体的な大学像、こういったものが固まってまいりますと定員とか学部構成によって大きく異なってくるのではないかと思っております。この試算は、あくまでも事業費や財源をおおまかに把握して、検討を進める上での一つの目安というふうにとらまえていただきたいと思います。
 今後は、こういった数値を参考にしつつ、県の財政負担、こういったものを考慮に入れながら具体的な大学像を検討してまいりたいと思っております。
 以上でございます。

        

◎観光部長
 (久保田篤)

信州まつもと空港を利用した県外からの誘客に関する質問でございます。
 御指摘のとおり、長野県観光の魅力をPRして北海道や九州からの誘客を図ることは、松本空港の利用促進に向けて不可欠のことと考えております。観光部では、FDA就航に伴う取り組みの考え方といたしまして、一つは、利用促進協議会の一員としてその事業に積極的に取り組む、二つ目として、北海道、九州からの観光客誘致促進を図るため関係者と連携して松本空港を利用した県外からの誘客活動に取り組む、この2点を基本方針として活動しているところでございます。
 具体的には、3月末の三越札幌店での観光と物産展でのPR、5月のFDAチャーター便ツアーでの歓迎行事、長野―空港間直行バスへのFDAの機体をデザインしたラッピングの実施、県の観光情報誌「季刊信州」の機内誌への提供、福岡での日本アルプス山岳写真展の開催などに取り組んできたところであります。

 札幌におきましては、宿場やお城、お寺などの本県の歴史的な遺産を、また福岡におきましては急峻かつ雄大な日本アルプスの山岳景観を魅力のポイントとしてアピールしてまいりました。今月の11日から14日まで、福岡市の博多駅ビルにおいて実施いたしました日本アルプス山岳写真展では、山岳景観の魅力とともに、FDA就航により毎日運航となったこと、ダイヤ改正により従来に比べ信州での滞在時間が8時間以上延長され、利用しやすくなったことなどをしっかりアピールしてまいりました。こうした取り組みは現地のメディアでも取り上げられ、旅行エージェントによる商品づくりも少しずつ進んでおります。
 観光部としては、FDA、市町村などと連携いたしまして、もっと知恵を絞り、もっと信州の魅力を際立たせ、継続的に北海道、九州からの誘客活動を積極的に進め、一人でも多くの方にFDAを利用して長野県に来てもらえるよう努めてまいります。
 以上です。

         

◎副知事
 (板倉敏和)

福岡線の発展に必要なものは何かというような御質問でございます。
 福岡線は、平成6年のジェット化開港以降、去る5月末に日本航空が撤退するまでの利用率がトータルで約65%というふうになっておりまして、決して少なくない需要に支えられた路線、十分な需要がある路線であるというふうに認識をしております。
 FDAが運航をしました6月以降、利用率はやや低調であるということでございますが、現在のダイヤが福岡発が早朝の7時40分で松本発が13時35分と。長野方面からは使いにくい上、福岡からも早過ぎる便となっているということがやっぱり一つの原因ではないかというふうに思います。また、先日、知事から諏訪議員へ回答いたしましたとおり、就航間もないFDAによる運航が九州地方で十分に知られていないということが要因の一つであるというふうに私も考えております。
 今回、九州と信州をFDAによりわずか90分で結ばれた、そしてそれぞれが個性豊かな魅力にあふれているということを、長野県はもとより、九州地方の方々に対してもっと知ってもらうことが何より必要ではないかというふうに思っております。極端な言い方になりますけれども、九州の人には松本空港そのものがどこにあるのかわからない人が多いのです。九州地方における徹底した観光キャンペーンが必要であって、やった成果は必ず上がるというふうに確信をしております。また、それが本県の観光振興にも直接つながっていくというふうに思います。
 なぜなら、長野県には九州にはないものがたくさんあります。反対に、長野にないものが九州にあるということもあるのですけれども、特に九州にないものが長野県にたくさんある。これは、私が九州で5年間生活をしてきた実体験から、そういうふうに断言をできるわけであります。
 私も、FDAが運航する最新鋭のジェット機に搭乗いたしましたが、室内は広く、音も静かでありまして、想像していた以上に速さや快適さを実感いたしました。機会あるごとにその快適さを多くの人々に伝えているところでございます。
 FDAの就航によりまして、これまでのプロペラ機から最新鋭のジェット機にかわり、信州と九州が毎日結ばれたことから、福岡線の利用を通して、両地域においてビジネスや観光などさまざまな分野で、また多様な形で交流が生まれ広がっていくことを期待をしております。
 以上です。

        

◎建設部長
 (入江靖)

松本都市圏総合都市交通体系調査に関するお尋ねでございます。
 この調査は、松本都市圏において現状と将来の交通網の問題点を把握した上で、これまでの計画を検証し、社会的な諸条件の変化を踏まえ、総合的な交通計画を策定することを目的としております。
 交通計画の具体的な内容としては、将来交通需要に見合う道路網計画及び自転車や自動車と公共交通機関との連携を検討した施設計画、さらに、バス、鉄道の公共交通の利用率の向上を図るソフト施策などでございます。
 平成20年度には、交通実態調査として人の移動の実態を把握するアンケート調査を実施し、21年度にはこれをもとに現況分析を行いました。これまでの調査により、松本都市圏では、自動車分担率が長野都市圏の66%に比べて72%と高く、バス、鉄道などの公共交通機関利用は少ないといった状況や、短い距離でも自動車利用が多く、65歳以上の高齢者の2割は車での送迎により目的地に移動しているといった状況が把握されています。
 今後は、これらの調査結果を踏まえ、さらに観光地入り込み調査などの補完調査を実施し、国、県、地元10市町村、鉄道、バス、高速道路各事業者で構成する協議会において検討を進めてまいります。また、この過程におきましては、学識経験者など各分野の方々から提言をいただくとともに、パブリックコメントにより住民の皆様の御意見もお聞きしながら、今年度中に総合的な交通計画を策定してまいります。
 以上です。

         

下沢順一郎

FDAにおきましては、副知事の言われた九州地域全域への観光キャンペーンをぜひ大いにやっていただきたいなというふうに思います。今後の皆さんの御努力に期待を申し上げます。よろしくお願いします。

 それから、県短期大学のほうですが、西沢議員がおっしゃったように今後の検討に当たっては次の知事にゆだねられるわけですが、検討委員会の中では、少子化の現状の中において、県内の大学、短期大学における学科の配置状況だとか、それから今後の学科の需要というものをしっかりと考慮いただいて、現状を十分に考えた中で検討していただければ大変ありがたいなというふうに思います。
 続いて、長野県教育に関してお聞きしてまいります。教員免許更新制における教員の資質、能力の総合的な向上策についてお聞きします。
 教職生活の全体を通じた総合的な向上策については、中央教育審議会で部会が設置され審議が進められて、本年中に方向性が示されるようです。教員免許更新制のあり方については向上策の抜本的な見直しを行う中で総合的に検討することとされていますが、一定の結論が得られ、これに基づく法律改正が行われるまでは現行制度のままとなっています。したがって、現教職員は、定められた期間内に免許状更新講習の課程を修了し、免許管理者の確認を受けることが必要となります。
 そこで、平成23年3月31日に修了確認期限が到来する第1期の対象者の受講漏れ等による失職を防ぐため、どのような対策を講じているか。お聞きします。

 続いて、エコスクールの実施についてお聞きします。
 学校は、次世代を担う子供たちが学び生活する場であり、学校での体験は子供たちの成長にさまざまな影響を与えます。折しも、地球温暖化対策は世界共通の重要課題であるとともに、我が国でも低炭素社会の実現に向けてより一層の取り組みをすることが望まれています。
 文科省では、平成9年にパイロット事業を創設するなど、環境に配慮した学校、エコスクールづくりを推進してきました。平成21年3月には、すべての学校でエコスクール化を目指すことが重要であるとの観点から、そのための推進方策が有識者会議から示されています。学校において新エネルギーを利用することは、学校施設そのものが環境教育の教材となり、子供たちの学習活動や生活を通し、環境問題への理解がより一層深まることが期待できます
 そこで、長野県としてどのように県全体にこの運動を広げていこうと考えておられるか。
 以上、教育長にお聞きいたします。

       

◎教育長
 (山口利幸)

まず、教員免許更新制についてのお尋ねをいただきました。
 教員免許更新制につきましては、平成22年4月からの制度本格導入以降、県立高校及び特別支援学校の校長会、市町村教育委員会及び小中学校担当者等を対象とする地区別説明会、ホームページなどを通じまして周知を図るとともに、とりわけ現職の教員に対しましては学校を通じまして制度の理解と受講促進に努めてまいりました。
 6月1日現在の免許更新状況を県独自で調査いたしましたけれども、それによりますと、第1期受講対象者総数1,550名のうち、まだ申し込みをされていない未申し込み者が78名おりますけれども、退職見込みを除くすべての方が今年度内に実施する講習を受講する予定になっていることを把握したところでございます。
 いずれにいたしましても、現職教員の免許管理者であります県教育委員会といたしましては、今後も、未受講者等に対する助言あるいは情報提供を行いながら、受講漏れによる失職の防止に努めてまいりたいと考えております。

 次に、学校のエコスクール化に関する御質問をいただきました。
 御指摘のとおり、環境負荷の低減や自然との共生を考慮し、環境問題を身近に感じられる学校施設づくりは重要であると考えております。この運動の県全体への広げ方でございますが、大きく分けまして二つに集約できるかと思います。
 一つでございますが、施設改修等にあわせまして実施するということでございます。
 現在の新エネルギーに関する施設設備につきましては、一例を申し上げますと、高校では太陽光パネルが既に5校設置されており、工業科の基幹校である松本工業高校等3校に現在設置しているところですが、今後も高校再編や耐震化対策等に伴う大規模改修等の施設整備が設定されておりますので、そういった機会をとらえて新エネルギーの利用等を必要に応じて検討をしてまいりたいと、こんなふうに考えております。

 また、小中学校におきましても、太陽光パネルにつきましては文部科学省の補助金を利用するなど現在78校で設置されておりまして、工事中のものを含めますと約2割の学校で設置されるなど徐々に整備が進んでおります。小中学校の設置者である市町村に対しましては、施設整備に係る研修会の場を通しましてエコスクールのこうした先進事例を紹介するなど、その情報提供に努めてまいります。
 広げ方のもう一つでございますが、既存施設を生かしながら、身近で、かつ、すぐ取り組めるものから積極的に実施していくという考え方であります。
 これも、一例を申し上げますと、職業学科を持っている高校、専門高校でございますが、例えば工業高校では、ソーラーカーやエコカーの製作、風力発電、太陽光発電、燃料電池をテーマに課題研究を行うなどさらに一歩進んだ環境教育を行っておりまして、環境問題への理解を一層深めている教育活動がとり行われているところでございます。

 また、普通高校におきましても、校舎の外壁を緑化する緑のカーテンを生徒自ら行う学習環境整美事業、これは、手を挙げていただきまして、具体的にこういう活動をしたい、また自主的に緑のカーテンをつくる、あるいは花壇をつくるというふうなときに、その材料費を補助するという制度でございますけれども、生徒自ら行う学習環境整美事業として行っておりまして、これが体験的な学習として位置づいておるわけでございます。

 小中学校では、こんな事例がございます。雨水を専用タンクに集め、掃除のときや花壇の水に利用している学校でありますとか、ペットボトルを使って太陽熱を利用した簡易温水装置を製作している学校がある、さまざまな取り組みが行われておりますが、実は教育委員会の中に教学指導課という課がございまして、そこで「教育指導時報」という教育の実践事例等を中心として情報提供、実践報告をしている冊子を毎月発行しておりますけれども、そういうところに連載したり特集を組んだりという形で今申し上げたような実践的な事例を広く紹介していると、こういう活動も行っております。
 いずれにいたしましても、こうした日常的に即そういう発想に立てば取り組めるという活動を重視しておりまして、今申し上げたような点を含めまして、小中高、特別支援学校におけるエコスクール化を一層進めてまいりたいと、こんなふうに考えております。

        

下沢順一郎

エコスクールの件につきましては、例えば間伐などのチップだとかペレットというのがありますね。ほかの事業でもできるんですけれども、そういうのをこの事業でも有効に活用することができるので、各校の冬場のボイラー対策にもう少し広めてもらうほうがありがたいかなというふうに思います。できれば積極的に展開してもらったほうが、各校のいろんなものをやってもらうほうがいいなと。私たちも、だるまストーブだったものですから石炭を当番制で持ってきて入れて暖まったものですので、今の子供たちでもできないなんてことはないと思うんですよね。ぜひ御検討いただければありがたいなというふうに思います。

 高校授業料の無償化についてお聞きいたします。
 本年4月よりスタートした高等学校等授業料の実質無償化制度により、私立高校に通う生徒にも月額9,900円が支給されています。保護者の年収が250万円未満程度の世帯は2倍の月額1万9,800円が、年収250万円から350万円未満程度の世帯は1.5倍の月額1万4,850円が支給されています。
 この高校授業料無償化で国の制度では無償とならない私立高校について、すべての都道府県が国からの支援金に加え低所得者層などを支援するプラスアルファをつくっております。例えば、山形県では保護者の年収が450万円未満程度の世帯に就学支援金を支給してもなお残る授業料の世帯負担、授業料から就学支援金を引いたものですが、それについて月額4,950円を上限として補助を行っています。
 そこで、まず、本県としてどのような制度となっているのか。総務部長にお聞きします。

 公立学校の留年者には政令指定都市を含め36の自治体が理由を問わず留年分も授業料の無償をしているといいますが、本県の対象者数と対応方針を教育長にお聞きします。
 また、私立学校の留年者に対しては公立学校と同様の扱いとなるかどうかについて総務部長にお聞きします。
 高校課程のある専修学校や私立通信高校の授業料無償化の対応はどうなっているのかも総務部長にあわせてお聞きいたします。

 さて、文科省の調査では、国の就学支援金導入に伴い、平成22年度当初予算で約70%に当たる34県が私立高校生の授業料減免補助の減額をしていますが、一方で、大阪府のように1,700万円増額しているような県も約30%見られるわけです。多くの都道府県では、私立学校の授業料、年平均35万円を対象に補助金を交付しており、保護者の義務的納付金である施設整備費、年間平均19万円は対象外であります。ただし、施設整備を対象に加えているのは大阪府、京都府、広島県にあります。
 そこで、長野県も大阪府のように施設整備費を加えた標準授業料を設定し、保護者の年収に応じた補助金の導入を検討してはいかがかと思いますが、総務部長にお考えをお聞きいたします。

       

◎総務部長
 (小池茂見)

高校授業料の無償化についてのお尋ねでございます。
 最初に、私立高校生徒への就学支援についてのことでございますけれども、本県では、従来から、経済的に就学が困難な世帯に対しまして授業料等の軽減制度を実施してきたところでございます。これは、所得が一定基準以下の世帯につきましては授業料を一部軽減するとともに、特に就学が困難な世帯につきましては授業料の全額を免除するものでございます。
 今年度から就学支援金の支給が始まったということでございます。就学支援金を充当してもなお授業料が残る場合もございます。この授業料等の軽減制度を本年度も継続いたしまして、授業料の免除あるいは軽減を行いまして就学困難世帯に対する支援に努めているところでございます。
 なお、本県の授業料等の軽減制度につきましては、上限を設けず授業料の全額を免除しましたり、あるいは年度中途の保護者の失業等に対応するほか、入学料も軽減の対象とするなど、県としてできる限りの支援をしてきたというところでございます。

 次に、留年をした私立高校生に対する就学支援等についてでございます。
 就学支援金につきましては支給期間の上限が定められております。これは、全日制の場合ですと36カ月、それから定時制等の場合ですと48カ月でございますけれども、留年等によりまして上限を超える生徒につきましては支給を受けることができないこととなっております。
 なお、この場合におきましても、経済的な事情によりまして就学が困難な世帯につきましては、県が行っております授業料等軽減制度によりましてその全額または一部が免除されるということになっておるわけでございます。
 それから次に、専修学校あるいは私立の通信高校の授業料の無償化の対応についてのお尋ねでございます。
 専修学校の高等課程、それから通信制の私立高校につきましても、就学支援金制度の対象というふうになっておるわけでございます。
 なお、現在、専修学校の高等課程につきましては5校、それから通信制課程では6校で、計1,800名余の生徒が就学支援金の支給を受けているところということでございます。

 それから、最後でございますけれども、施設整備費を加えた標準授業料を設定いたしまして、保護者の年収に応じた補助金の導入を検討してはどうかというような御提案でございます。
 さきにお答えしましたとおり、本県では就学が困難な程度に応じまして授業料の全額免除ないしは一部軽減等を実施してきたというところでございます。この授業料等の軽減制度につきましては、就学支援金制度開始後におきましても引き続き実施してまいるわけでございます。本年度は、これに加えまして、新たに保護者負担を軽減する趣旨ということから、私立高等学校教育振興費補助金に3,000万余を措置したところでございます。就学支援金や授業料等軽減制度とは別に、特に授業料には限定せず、各学校が独自に保護者負担を軽減した場合にはその費用を助成するということとしているところでございます。
 いずれにしましても、就学支援金制度もスタートしたばかりでございます。本県におきましては、以上のような対応によりまして、国の施策とも連動しながら、引き続き私立高校生の就学支援に努めてまいる所存でございます。
 以上でございます。

        

◎教育長
 (山口利幸)

授業料の無償化についてのお尋ねでございます。
 本定例会に提出いたしました授業料徴収条例の一部を改正する条例案では、県立高等学校の授業料及び受講料は原則不徴収といたしますが、生徒間の負担の公平性の観点から相当でないと認められる特別の事由がある場合に限り、例外的徴収をするといたしております。この特別の事由がある場合の一つとしまして、いわゆる留年により標準修業年限を超えて在学した場合を挙げています。
 ただし、留年の場合でも、留学でございますとか、あるいは休学、あるいはその他やむを得ない事情があると認められる場合は、相当期間を実際の在学期間に通算しないものとし、その結果、標準修業年限を超えない場合は授業料を徴収しないといたしております。
 なお、例外的徴収を定めることにつきましては法律並びに施行通知の内容に沿ったものであり、都道府県レベルで本県と同様の扱いをしているものは本県を含めまして21都県となっています。
 本年度、最高学年在学生のうち昨年度末に留年した者は、全日制9人、定時制13人となっており、本来ならばやむを得ない事情があるかどうかを判断することになりますけれども、今回の条例案では授業料及び受講料の徴収は今年度中は行わないこととしておりますので、徴収対象者は発生しないことになります。
 以上でございます。

       

下沢順一郎

最後に、療育センターの設置と発達障害児者の支援の充実についてお聞きいたします。
 平成19年に策定された長野県障害者プラン後期計画において、重点政策として、発達障害者支援センターを中心に早期発達支援から就学前、就学中、卒業後の就労、地域生活までの継続的な一貫した支援を行うことが位置づけられております。最近、県下各地で発達障害児者が急増しておりまして、保護者、関係者の皆さんからも早期療養体制の充実を望む声が高まってきております。そのような中で、急増する発達障害児者に対して、相談業務の充実だけでなくて、今後は発達支援にかかわる人材の育成などをしていく必要があるのではないかということが言われております。

 そこで、健康福祉部長にお聞きいたします。
 松本地域などで発達障害児者の早期発見から治療まで行う拠点施設である療育センターを整備する場合、補助制度の創設について国に強く働きかけていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 また、平成23年4月に諏訪湖健康学園が旭町庁舎に移転されることを契機に、現在、こども病院にある発達障害支援センター中南信駐在所を同所に移転し、発達障害児にかかわる現場職員の育成や市町村への専門的な支援の充実が図れないかをお聞きして、私の一切の質問といたします。

       

◎健康福祉部長
 (桑島昭文)

療育センター整備に係ります国庫補助制度の創設についてお尋ねをいただきました。
 発達障害の早期発見から治療、訓練まで総合的に行う地域の拠点となる施設として、松本地域を初め幾つかの地域から療育センターの整備に関する御要望はいただいてございます。しかしながら、療育センターに対する国庫補助制度がないため、県といたしましては、国に対し、療育センターを国庫補助制度の対象とするよう従前から要望をさせていただいているところでございまして、私も先般要望に伺ったところでございます。
 発達障害児の支援については、それぞれの地域の社会資源を有効に活用しつつ、地域に合った療育体制を構築することが重要であると認識しておりますので、地域の関係の皆様方の御意見を伺いながら、身近な地域において適切な療育が受けられるよう引き続き支援してまいりたいと考えてございます。

 それから、発達障害者支援の中南信駐在の移転と人材育成等についてお尋ねをいただきました。
 発達障害者支援中南信駐在は、平成17年5月、県立こども病院に専門職員を配置し、中南信地域の保健福祉事務所や特別支援学校等を巡回し、発達障害者に対する個別相談やデイケア、それから親の会の支援などを行ってございます。
 中南信駐在を旭町庁舎へ移転することにつきましては、巡回相談を行う際の交通の利便性や、それから松本あさひ学園のスペース、それから信州大学医学部附属病院からの支援などの観点から検討してまいりたいというふうに考えてございます。
 なお、人材育成や市町村への専門的な支援につきましては、発達障害者支援センターが、全県下を対象に、人材養成セミナー、それから事例検討会、それから就労支援研修会などの専門研修会の開催、それから市町村向け支援ガイドブックや就労支援パンフレットの作成なども行ってございます。
 また、今年度からは、市町村を対象に、発達障害者支援の状況調査とそれから個別支援に対する専門職員の助言を行うこととしており、こうした取り組みを通じまして人材育成や専門的支援を進めてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。

 

 

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