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 > トップ    > 議会だより  6月定例会[松山議員]

 

 

■松山孝志

改革・緑新の松山孝志であります。通告に従いまして順次質問させていただきます。

 最初に、県財政運営についてであります。
 県税収入が2,647億円あった平成10年、後にそこがピークとされるわけでありますが、ちなみに、昨年度、平成21年度は平成で最低となる2,007億円弱でありました。平成10年のその後、企業経営と同様に、売り上げが減れば、すなわち歳入が減ってくれば財政運営は厳しいものとなってきます。民間には対処方法としてさまざまな工夫がありますが、行政機関の手段は限られております。
 厳しい財政運営が続く中で、県は、平成14年度から18年度までの財政改革推進プログラムを経て、平成19年3月には長野県行財政改革プランが策定され、推進がスタートしております。プランにおいて、歳入確保に向けた取り組み、歳出削減に向けた取り組み、ともに健全化に向けた努力の跡もあらわれているのではと今議会への知事の議案説明の中で総括されております。

 ところで、県政世論調査の数字では、村井県政の評価として6割弱が支持の評価をしているにもかかわらず、個別政策において7割弱の人が財政の立て直しに対して評価をしない厳しいものがあります。このことはどこから来るのでしょうか。県債がふえたと見るからなのか、財政が硬直しっ放しと見るからなのか。それだけではないとする見方の切り口を変えてみました。
 それは法人の赤字ではないか。赤字法人率の数字については、さきに西沢議員の質問で説明がされておりますが、長期にわたって全国ワーストクラスであります。税金を払って世の中に貢献をしたい、しかし、そんな状況にないどころか、借金が重くのしかかり実に厳しい経営状態である。そこへいくと、県はすばらしく大きな借金があっても即困ったという状況でもなく、みずからの法人の財政的立て直し、これは民間ですが、に比べて必死ではないと。財政数字からこのように映っていることが、赤字法人率の数字傾向と県財政立て直しについての評価数字が符合しているのではないでしょうか。

 そこで、県税収入の確保に関し、産業の振興による税収確保がありますが、状況の数字には、要は赤字法人率の数字からは税収確保は非常に厳しいものがあるのではないかと思うわけであります。なぜ長野県は赤字法人率が高いのか。税金として返ってくるための支援策はどのように考えていけばいいのか。この部分は黒田商工労働部長にお聞きをいたします。
 次に、歳出削減に向けた取り組みの中で、公債費負担の軽減があります。これに関して、県債の保有先と繰り上げ償還による節減額は、この数年間どの程度の推移であるか。また、ことし2月に作成された財政見通しにおいて追加的な取り組みによる財源確保として50億円が計上されていますが、どのようなものを意図しているのか。さらに、効率的な予算執行による歳出削減額として毎年40億円とありますが、何を見込んでいるのか。プランが作成されたときにはこれらが説明されたようでありますが、当時私はまだここで質問をできる立場にありませんでしたので、ここで小池総務部長にお聞きをいたします。

    

◎商工労働部長
 (黒田和彦)  

私には赤字法人率と県財政という独自の切り口からの御質問でございます。

 赤字法人率に関してお答え申し上げます。国税庁のデータをもとに民間調査機関が作成、公表した資料によりますと、平成20年度における長野県の法人数は4万2,981法人ございまして、このうち78.2%に当たる3万3,610法人が赤字法人とされておりまして、全国順位を見てみますと、徳島県、79.8%でありますけれども、これに次ぐ全国ワースト第2位ということで、平成19年度から2年連続となっているところでございます。
 ちなみに、平成15年から18年度までは全国ワースト第1位という期間もございまして、依然として高い率が続いているということがうかがえるかと思います。
 なお、特徴的なものといたしまして、これも国税庁税務統計によりますと、平成20年度の赤字法人1社当たりの欠損額、これを見てみますと、全国平均は1,320万円、これに対しまして長野県はその半分以下の641万円となっております。比較的少額の欠損法人が多いのが特徴の一つということができるのではないでしょうか。

 それから、国税庁が詳細なデータを公表しておりませんので赤字法人率が高い原因の分析はなかなか難しいわけでございますが、民間調査機関などには、関東信越国税局管内における料理、飲食、旅館業の欠損比率が高い中で、本県の場合、他県に比べて旅館、ホテル施設数が多く、それが原因の一つとなっているとする見方もございます。このような企業にとりましては、経営環境の好転により需要が増加することが最も望ましく、また期待したいところでございますけれども、一方で、残念ながら経営面での改善が必要な場合もございます。

 長野県といたしましては、そういった企業に対しましては、商工会、商工会議所が行います経営指導事業への支援、あるいは長野県中小企業振興センターによります経営相談等々を引き続き実施してまいりたいと考えております。
 また、今年度、新たに県内2カ所に中小企業応援センターを設置いたしました。高度で専門的な経営課題に対応するための専門家の派遣制度を実施しておりまして、こういった取り組みを通じまして、中小企業の経営改善、ひいては赤字からの脱却に向けて支援をしてまいりたいというふうに考えております。
 以上です。

        

◎総務部長
 (小池茂見)  

繰り上げ償還によります公債費負担の軽減に関する御質問でございます。
 県債の繰り上げ償還は、平成19年度以降、公的資金の一部につきまして実施してきたところでございます。一般会計について申し上げますと、平成4年までに借り入れました金利5%以上のものを対象といたしまして借りかえを行いました。その金利負担の軽減額についてでございますけれども、平成19年度分が約4億円、20年度分が5.3億円、21年度分が約7.7億円でございまして、合わせまして約17億円となっているわけでございます。

 また、県債の保有先との御質問でございますけれども、借り入れ先別に残高の状況を見てみますと、一般会計の場合、公的資金の割合は、繰り上げ償還実施前の平成18年度と21年度を比較してみますと、18年度までは約45%程度で推移していたわけでありますけれども、21年度には約33%程度というふうになっているわけでございます。それから、民間等の資金について申し上げますと、同様に18年度と21年度の割合で見てみますと、銀行等の引き受けに係るものについては32%が21年度には36%、それから市場公募に係るもので見ますと、18年度23%のものが31%というふうにそれぞれ21年度には推移しているということでございます。
 なお、現在の新規の借り入れにおきまして、公的資金と民間等の資金との借り入れ条件に大差はない状況にあるわけでございます。こうした中で、引き続き良質でなおかつ安定的な資金の確保に努めてまいります。

 それから、続きまして中期財政見通しについての御質問でございます。
 県では、平成19年の3月に策定いたしました行財政改革プラン、これを基本といたしまして、毎年度2月の当初予算案の発表時に今後5年間の財政見通しを公表しているところでございます。御質問の50億円の追加財源確保につきましては、毎年度の予算編成に当たりまして、県の果たすべき役割であるとか、あるいは事業の必要性、緊急性、こういったものを踏まえまして、義務的な経費も含め徹底した事務事業の見直し、これを行うことによりまして経費の節減に努めるということのほかに、県税の徴収体制の強化であるとか、それから県有財産の有効活用、こういったより一層の歳入の確保にも努めているところでございまして、50億円の確保を図るということとしているわけでございます。

 また、これに加えまして、予算の執行段階におきましても創意工夫を凝らすというようなことから効率化に努めまして、予算を使い切るということではなくて、契約によって生じた差金など残すものは残すというような意識を徹底いたしまして、毎年度40億円を確保することとしているところでございます。
 以上でございます。

        

■松山孝志

赤字法人率の関係から、数字だけ見ますと長野県は全国平均よりも飛び抜けて高いというわけではなくて、全体が似たような数字の中にあるのかなと思いますが、沖縄県は一番よくて64.79%ということであります。意外と思うかもしれませんが、これらは業種の構成によってかなり変わる部分もあるだろうというふうに思っておりますし、また、2008年度は世界同時不況の発生で全県でこの率が上昇し、要するに悪化したわけであります。

 しかし、長野県は2008年度以前にもこれより悪い状態があったわけでありまして、不況だけでない要因もあるものと思います。要は、景気回復だけが税収増につながるものでもなく、税収増につなぐための手段を考える経費と、そしてそれから来る税収増とのバランスから改善策の指導も考えられるのではないかと。そんな努力をお願いをしたいと思うわけであります。

 最近、県では、県内の中小企業へMFCAの導入支援を本格化するということもあるわけでありますから、こういった面にもぜひとも検討をお願いをして税収増を図っていただきたいというふうに思っております。

 次に、地域公共交通について質問をさせていただきます。
 この件もさきに質問がありました。事をなすとき、段取り八分という言葉があります。要は、8割方準備が整えば後はできたも同じということでありますが、今年度、新たに交通基本法を制定して、これはこれからの話ですが、補助金のあり方を見直すと。そういう理由で、地域公共交通活性化・再生総合事業による今年度の補助金が大きく減額をされました。
 県は、地方にとっては必要性が高いため国に事業継続を求めていくとしていますが、現状のままの継続を求めているのか、新法の中に現状を引き継ぐ助成を想定しているのかについて、法が段取り八分の理念のみに終わらないために、交通基本法の概要を含めて望月企画部長にお伺いをいたします。

 続きまして、県内農産物の輸出について伺います。
 依然、江戸時代から変わらない、江戸と近郊の関係にも似た千葉県に農場を立ち上げ、安全な野菜として東京に宅配の方法をとっているところを調査に行きました。成田空港の周辺でもあったせいか、商売の伸展にあわせ中国へも空輸宅配を始めておりました。近年、食の安全性を求める海外の購買者向けに農産物の輸出が増加しているということであります。一方で、長野県からの輸出で、輸出先の国の農薬基準の厳格化から輸出量が大幅減となった実態もあります。
 県としては、輸出先国の状況把握や、それに基づく生産者への指導についてどのように行っているのか。萩原農政部長にお伺いいたします。

        

◎企画部長
 (望月孝光) 

地域公共交通活性化・再生総合事業の補助金の減を受けまして、それに対する県の考え方等についてのお尋ねでございます。
 地域公共交通に関する問題につきましては既に多くの議員さんの御質問にお答えしておるところでございますけれども、この事業を行っている市町村の取り組みを後退させてはならないということをまず大前提と考えております。したがいまして、国においては現在事業を実施している地域の取り組みがきちんと継続できるような仕組みを講じていただくこと、これがまず一つでございますけれども、その上で、現在検討が進められております交通基本法の制定にあわせて、地域の実情を踏まえた恒久的な支援策をしっかりと位置づけていただくこともあわせて必要であると考えております。こういった両面からの要請をしてまいりたいと考えております。

 なお、交通基本法につきましては、昨日、国土交通省から、交通基本法の制定と関連施策の充実に向けた基本的な考え方の案が発表されたところでございますけれども、その中で、すべての人々が健康で文化的な最低限度の生活を営むために必要な移動権を保障すべき、これを基本に据えまして、国の支援措置につきましては、地域の自主性を尊重した上で充実、再構築が必要であり、その助成制度は可能な限り地域の協議会へ一括交付する仕組みと、こういったものなどが示されております。今後、こうした方向に基づき具体的な事業の検討が行われるものと考えております。
 以上でございます。

       

◎農政部長
 (萩原正明)

県産農産物の輸出先国の状況把握や、それに基づきます生産者への指導についてのお尋ねでございます。
 県産農産物の輸出につきましては、海外での農産物フェアの実施などによりまして年々輸出量が増加してきたところでございます。議員御指摘のとおり、2009年に本県農産物の主な輸出先でございます台湾の農薬基準の急な厳格化によりまして、昨年度は大幅に減少したところでございます。このため、残留農薬基準の設定につきましては国を通じて要望してきたところでもありますが、昨年9月に知事がトップセールスで台湾を訪問した際にも重ねて要望をしてきたところでございます。その結果、現在までに、本県が要望した農薬につきましては7剤が基準値の設定がされたところでございます。
 残留農薬基準の設定条件につきましては、台湾政府公表資料から随時把握をいたしまして生産者等に情報提供するとともに、現在、使用可能な農薬を使いました栽培も開始をしているところでございます。
 なお、生産された農産物につきましては、残留農薬分析を行い、確認した上で輸出するように指導してまいりたいと思っております。
 以上でございます。

        

■松山孝志

地域公共交通については、地方の考え、地方の求めているものが強く取り上げていただけるような要求をしていってもらいたいと思っております。
 県内農産物の輸出について、県内農産物の出荷額増加のためには輸出への対応のフォローをお願いするものであります。

 最後の質問に入ります。知事の資質について知事に伺います。
 日本国民で満30歳以上であれば、だれでも知事になることができます。しかし、人にはさまざまなことにおいて得手不得手があると思います。ここでお聞きすることは、知事の職務についての適正の可否についてであります。私と同等ならよいとする答えでも構いませんが

、しかし、それだけだとまたわかりにくい知事となってしまい、私がそんなことを引き出すのは本意ではありません。
 最初に道をつくった人は名が残るが、それを精いっぱい維持した人は後世に残らないものだというような考えをさきにお聞きしたような気がしております。また、知事は、昨年2月定例本会議で、瓦れきの山を片づけて土づくりを行い、そして種をまいたとも言っておられます。実りの秋はまだ迎えておりませんが、でき上がったものの踏襲ではおもしろみがなかったかと思います。苦労は次に残すことができます。県の財産になってであります。どのような気持ちと言葉で残されるのか。お伺いをしたいと思います。

 歴史上ではこんな言葉が残されております。政治とは可能性の技術である、理想を掲げながら行く手を遮る困難を一つ一つ取り除いて実現可能性を追求するのが責任ある政治である、おのが身をなげうって公のために尽くしている姿を民に示すことである、甘い政策には決別し、率直に厳しさを求める勇気が必要である、そういった名言が残されておりますが、知事も、ここで、締めに当たって、知事の言葉を財産として残していただけるようにお願いを申し上げて、質問を終わります。
       

        

◎知事
 (村井仁) 

率直に申しまして、知事の資質とか、あるべき人物像とか、なすべき仕事のスタイルですとか、そんなことを一般論として語る資格は私にはないと思いますので、これはちょっと遠慮をさせていただきまして、その上で、この機会に、私がこれまでやってまいりました姿勢だけせっかくのお尋ねでございますから申し上げまして、お答えにかえさせていただきたいと思います。
 そのときそのときのさまざまな課題が県の当局者の前には出てまいりますから、それに適切な対応をするということはこれはもう何よりも大事なことだと思っております。
 その前提としまして、就任以来、県議会、そして市町村や国との信頼関係を再構築するとともに、こういった意味での直面する課題には、だれが知事であったとしてもこう判断をするのが一番適当ではないかという視点で取り組んでまいったつもりでございます。それにつきまして御批判があるのは当然覚悟しております。
 そしてまた、多くの県民のお声をお伺いしまして、県議会の議決という手続まで経まして策定しました中期総合計画、これはいわゆるビジョンでございましょうが、長野県のあらまほしき姿、目指すべき将来像というものを示したものでありまして、これが県政運営の道しるべでもあると認識をしまして、それを実現するために努めてまいった、そういうつもりでございます。
 ただ、この時間軸は、昨日もちょっと触れましたけれども、遠い将来の話ではない、やっぱり3年、5年というようなところが政治というものが到達できる一つの時間軸ということなんだろうと私はずっと思ってまいりました。

 そんなことを申し上げまして、もう一つ、私がつかさつかさという言葉で表現をしてまいりましたが、職員にゆだねるべきことはゆだねまして、しかし、責任は知事として私が負うという形で行いますのが組織運営の一つの大事なポイントだと思ってまいりました。権力というものは必ず腐敗するものでありまして、そういう意味では常に権力を抑制的に使う、このことだけは努めてまいったつもりであります。権限を適切に行使するということが大事なことだと思ってまいりました。
 そして、知事という立場からどうしてもその時々のさまざまなことに発言を求められることもございますから、そういう意味では、消費税率の引き上げでありますとか、森林税の導入でありますとか、県民に御負担をお願いするものでありまして、ともすれば反発を受ける、そういう政策選択でありますけれども、将来に向けて必要と思うことにつきましては信念を持って主張させていただいたつもりであります。
 いずれにしましても、いろいろな価値観、あるいはいろいろな主義主張、それにつきましても謙虚に耳を傾けながら闊達な議論をするということは常に大事なことだと思ってまいっております。

 

 

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