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■島陽子
   
    

改革・緑新、長野市区、島陽子です。通告した順序を変更しまして質問してまいります。

 まず、知事の政治姿勢についてお聞きします。

 このたびの右近参事の急逝につきましては、改めまして、心より御冥福をお祈りします。あのような形で最後の選択をされるとは、突然の悲報に私もただ驚きを禁じ得ませんでした。得がたきパートナーを失った知事の心中いかばかりかと拝察するに余りあります。お亡くなりになった右近氏には大変お気の毒とは存じますが、県にとって有為な人材として認められ採用された任期付職員であったことから、一、二点お聞きしておきたいと思います。

 知事は、右近氏がお亡くなりになってからこの間に、あらぬ嫌疑をどうしたら晴らすことができるか苦しむと言い、彼を信じると故人の金銭授受については一貫して否定をされています。その上で、知事は、28日の複数の新聞報道によれば、国家権力が常に正しいわけではない、捜査をしっかりやって事態を明らかにしてもらいたいという発言をされたそうですが、それは間違いないのでしょうか。そうならば、その真意はどうなのでしょうか。

       

◎知事
 (村井仁)

 

まず、右近君の急逝につきまして御弔意を賜りまして、ありがとうございます。
 まず、私がいろいろ申しましたこと、これにつきましては、若干の言い回しの相違はともかくとして、おおむね私の言葉を報道等ではお伝えいただいている、このように思っております。
 御指摘の国家権力が常に正しいわけではないという発言は、あたかも私の周辺に金品が渡ったことが事実であるかのように言われていることについて述べたものであります。四半世紀にわたる右近君と私の政治活動を顧みて、私は彼を信じておりますけれども、私には反駁する資料もそのすべもありません。そして、一体、だれが私の周辺が疑いを受けるような発言をしたのかもわからないことから、捜査を適切に進めてほしいと申し上げたにすぎません。
 一般論でありますが、何が真実なのか明確でない中、憶測によって世論が形成されていくということは非常に危険なことだというふうに私は感じております。
 以上であります。

       

■島陽子

右近氏の職務を果たす任期は1年10カ月を残し、使命は道半ばだったであろうと、そのように思います。大変衝撃的な死でありました。
 今、御説明ありましたけれども、公人としての発言としては県民もますます不信に感じてしまう。確かに、私も、憶測や邪推で物事を判断してはいけないと思います。司法にゆだねる部分については言及いたしませんけれども、捜査の解明を求めるということですし、これは時間がかかることではあると思いますが、200万県民のトップとして軽々に御発言すべきではないこと、これはしっかり御認識いただきたいと思います。

 また、故人と知事自身の名誉回復のためにも、一方で潔白証明ということも調査や御説明で進められるかもしれない。この点についてもぜひ御認識をいただきたいと、そう思います。

 次の質問に入ります。
 昨年発足した、ながの子ども・子育て応援県民会議で重点課題とされたうち、21年度挑戦プロジェクトのテーマにも掲げた事業について企画部長にお聞きします。
 きのうの西沢議員の質問にもありました、新規事業として予算額748万4,000円を盛った子ども・子育て応援事業の中から、結婚支援ネットワーク事業とながの子育て家庭支援パスポート事業についてであります。
 まず、結婚ネットワークは、どういった経過で実施を決めましたか。単年度事業ではないようですが、今後は、財政支援も含めて、県としてどう関与していくのでしょうか。
 また、幾つかの市町村で先んじて取り組まれている子育て家庭支援パスポートは、どのように活用されることを目指したのでしょうか。
 ところで、この応援県民会議と内閣府、そして県が主催の官民連携子育て支援推進フォーラムが、2月6日、長野市内のホテルを会場に開催され、私も、申し込み、参加してきました。後援団体は、労働局、県市長会、町村会、県経営者協会、県中小企業団体中央会、県商工会議所連合会、商工会連合会、連合長野となっており、企業経営者や勤労者を含む社会全体の意識や行動の改革を進めていくことで働き方を見直し、少子化の流れを変えるというねらいのもと、呼びかけたようです。国の予算で運営がなされ、大がかりなイベントで、官民一体子育て推進運動事業の一環だそうです。
 政府は、財界、学界、マスコミも運動に取り込むといったスキームを示していることを初めて知りました。
 さて、このイベントのねらいや成果について企画部長から改めて説明を願いたいと思います。
 また、このシンポジウムに参加された知事から、この事業についての評価や印象をぜひお聞きしてみたいので御答弁をお願いします。

      

◎企画部長
 (望月孝光) 

ながの子ども・子育て応援県民会議と少子化対策についてのお尋ねでございます。
 まず、結婚支援ネットワーク事業の実施に至った経過と県の関与でございますけれども、昨日も西沢議員の御質問にお答えしましたように、県民会議の部会では、市町村や社会福祉協議会、商工会議所、労働組合、JAからそれぞれ結婚支援の取り組みが報告されましたが、特定の地域や業種に限って行われているためなかなか結婚に結びつかないと、こういう共通した課題が浮かび上がってきたところでございます。
 そこで、多くの会員事業所を有する商工会議所が現在検討を始めつつある結婚支援の一定の取り組み、こういったものと県民会議が連携いたしまして、地域や職域という垣根を越えた全県的な結婚支援ネットワークを構築していくこととしたところでございます。個人情報の取り扱い、参加団体間の共通ルールの作成、各団体の役割と経費の分担など多くの課題がございますけれども、そういったものを整理しながら団体相互に活用できるシステムづくりを進めていく必要があるところでございます。
 公的な個々の団体のこういった結婚の取り組みを広域的に結びつけるということで全国でも例のない試みでございますので、県としては、このシステムづくりに向けて商工会議所を初め各団体と十分協議、調整を行いまして、効果の上がるものとなるよう支援してまいりたいと考えております。

 次に、子育て家庭支援パスポート事業の効果と利用者の評価、活用方法についてのお話でございますけれども、地域の企業、店舗による子育て家庭への商品の割引、それから各種サービスの提供といったものは全国的にはここ数年にわたって活発に行われておりますけれども、県内では、平成18年9月の松本市を皮切りに、現在のところ九つの市町村で行われているところでございます。
 この事業は、子育て家庭の皆さんに、地域が子育てを応援してくれるという意識を持っていただくことを一番のねらいとしているわけでございまして、目に見えた効果をお示しするということはなかなか難しい面がございますけれども、実施市町村にお聞きしますと、利用者の方からは、商品割引やお店の人に温かい声をかけてもらうなど子育てへの応援は非常にうれしい、ありがたいといった声があるなど一定の評価を得ています一方、協賛店をもっと増加してほしいとかわかりやすい表示をお願いしたいと、こういった改善を求める声も寄せられていると聞いております。
 今後、事業の実施に当たりましては、子育て家庭の皆さんが、この制度によりまして地域に支えられているということが実感できるといったことを目指しまして、利用できる店舗、サービス内容、それから情報提供などの充実を図ってまいりたいと考えております。

 それから、三つ目の子育て支援全国リレーシンポジウムの趣旨、内容等に関するお尋ねでございます。
 議員お話ございましたように、このシンポジウムは、仕事と子育ての両立、ライフステージに応じた働き方が可能となるように、企業や地域における子育て支援を一層推進することを目的といたしまして官民一体となった国民的運動を展開するということで、内閣府の事業として平成18年度から毎年全国6カ所の都道府県で開催してまいったものでございます。本県でも、内閣府、県のほか県民会議も共催いたしまして、県内各地から230名の参加をいただいたわけでございます。
 内容としましては、二つの分科会を設けまして、企業と地域それぞれの先進的な取り組み事例を御紹介の上、意見交換を行い、引き続きまして全体会において国の少子化対策の紹介やワークライフバランスに関する基調講演、それから「働き方の改革」をテーマにしたパネルディスカッションを行いました。パネルディスカッションでは、知事のほか経済、労働団体の代表の方などが、経営者、労働者の意識改革や職場環境づくり、地域の連携による子育て支援などについて討論を行いまして、課題や取り組みの方向性について共通認識を深めたところでございます。
 以上でございます。

       

◎知事
 (村井仁)

先般のながの子ども・子育て応援県民会議の行いましたシンポジウム等々の評価、印象についてお尋ねをちょうだいしました。
 国会日程が変わったために小渕優子大臣が出席できなかったのは大変残念でありましたけれども、子育て中の女性の皆さん、それから企業、地域でさまざまな取り組みをされている多くの県民の皆さんに広く御参加をいただきまして、この問題に関する県民の関心の高さをうかがう一つの機会になったと思っております。
 いまだ経験したことのない少子・高齢化、人口減少社会の中で、少子化というのは我々の社会のあり方そのものが問われている大変重い問題だと思っております。しかも、個人の内心の問題にもかかわる話が含まれていると私はいつも思っております。
 なかなかそういう意味では即効性のある対策は見出せないものでありますけれども、行政はおのずから、別に逃げるわけじゃありませんが、限度がある、そういう課題でもありますだけに、幅広い分野の方々が連携して、地味ではあるが確かな取り組みを社会全体で進めていくと、そのことの必要性を非常に痛感した次第であります。
 今後も、少子化による人口減少に歯どめをかけるということにとどまらず、親が安心して子供を産み育てることができ、そして、何よりも子供自身が心身ともに健やかに育つことができるような環境をつくっていくことこそが重要という観点でこの問題に一層取り組んでまいる決意であります。

       

      

■島陽子 部長の答弁によれば、きのうもそうでしたけれども、それぞれの結婚相談事業を有機的に結びつけ支援をしていくということでした。であれば、22年度以降、長野商工会議所以外のほかの団体への補助も予定しているのでしょうか。
 結婚相談や出会い提供の事業については、いわゆるサービス提供を業とする以外に、自主的かつユニークな先行取り組みは県内に既にあり、企画部も既に調査済みと思いますが、その中から一例を紹介したいと思います。
 先月、連合長野長野地域協議会が開いた第23回「良きパートナーを探そう」という異業種間で男女の交流ができるイベントが長野市内のホテルで開かれ、私もボランティアとして運営に加わりました。これは長野市広報などで周知され、同市や近隣市町村から申し込みが殺到、抽せんで選ばれた男女50人ずつの参加者が時間を決めてテーブルを交代し、交流しながら気に入った相手を見つけるという方法です。まず自己紹介でアピールしてから、趣味や仕事、休日の過ごし方などを質問します。
 私も、一つのテーブルについて、そこで進行役を引き受けました。ある男性から、料理は好きですか、得意なものは何ですかなどと女性に尋ねるので、私が、女性から同じ質問しなくていいのなどという世話焼きなおばさんにもなってみました。そんなふうに、若々しい方たちの中で、独身時代を振り返る大変に貴重な経験をさせていただいたところです。
 なお、このイベントは主催の協議会が半ばボランティア的に四半世紀続けていて、カップル誕生は毎年よくて1組か、そのあたりだということです。
 ほかには、主に農村花嫁の獲得で切実さを抱いているということで、JA松本ハイランドや松本市も早いうちから担当者や相談員を決めて熱心に取り組み続けております。伊那商工会議所や伊那市も数年前から先行的に取り組み、モデルになると思いますし、近日中に長野シルバー人材センターでも結婚相談事業を始めるとのことです。
 これらの取り組みが地道に熱意のある運営者によって進められてきたことは評価すべきものです。この出会いと結婚応援については、これまでに永井議員も何度か質問しており、ようやく県も動き出したということでしょうが、全県広域的にネットワークするといっても情報の一元管理の難しさもあるでしょうから、個人データの共有化をほかの先行取り組み団体に了解してもらうためには念入りな打ち合わせが必要ではないですか。
 さらに、県内出身者で現在は県外に就職し居住する未婚の方で、本人や親からふさわしい相手を御紹介願いたいという希望とて相当出てくるでしょう。せっかく県がお金を出すのですから、さらなる検討で十分なアイドリングをしてから発進させて縁結びの花を開かせてほしいと思いますが、企画部長、いかがでしょうか。

                  
◎企画部長
 (望月孝光)
来年度から取りかかります結婚支援ネットワーク事業に対しまして、数々のモデルの御紹介、それから御提案をいただきました。
 まず、長野商工会議所以外に補助するつもりはないかというお話でございますけれども、たまたま長野商工会議所がそういった取り組みをしようとしておりますので、それを各団体に適用できるかもあわせて、一つのシステムを構築してみようというものでございます。
 したがいまして、中身については、もちろん個人情報の取り扱いの問題もございますし、それから各団体の役割、経費分担、そういったものもありますので、それはその後できるだけ県民会議の皆さんと相談しながら詰めてまいりたいと思っております。なかなか難しい事業であることは重々承知しておりますが、何とか頑張ってみたいと思っております。
 それから、いろんな形で各市町村もやっておられますし、各団体もやっておられます。それは決して否定するつもりもございませんので、できるものについては情報交換しながら、イベントの開催等については引き続き実施してまいりたいと思っております。
 以上でございます。

      
■島陽子 もう一つ、子育て応援カードですが、協賛業者の好意を無にしないことは肝心と思います。ちまたのクーポン券などに見られるマーケティング戦略の価格差別とは一味違った、子育て応援の機運が高まるような事業に育てていただきたいと要望します。
 それから、今知事にもお答えいただきましたが、私も、2月6日のイベントに参加してみて改めて感じたのは、内閣府が少子化対策の旗振りと推進役を担っており、労働も福祉も食育も地域も家庭も生活も、すべて子供につながる事柄は一体的に取り組むという圧倒的な確信です。たくさんの何枚もの美麗なパンフレットや刷り物も持たされました。たくさんお金を使って、国の示すメニューは本当に盛りだくさんなんですが、地方都市や過疎地の集まる長野県であれもこれも実現できるかなと正直疑問も持っております。
 国の少子化対策に振り回される余り、長野県らしい独創的かつ個性的な子育て応援とはほど遠い姿になりはしないかと心配にもなりました。こうした点について板倉副知事はどのような御見解をお持ちなのか。一度お聞きしたいと思います。
 まず一つに、ながの子ども・子育て応援県民会議は、事業を合理的かつ効率的に展開していく上で、部局間の連携をより強めることが必要だと考えますが、いかがでしょうか。
 また、もう一つ、少子化解消は容易に打開されない中で、国では重点課題としてさまざまな項目を掲げますが、県としてはどのような施策に重点を置いて今後の事業を進めていくのでしょうか。お願いします。
        

◎副知事
 (板倉敏和)

県民会議の取り組みにおきます部局間連携に関して御質問がございました。
 小松議員の代表質問にもお答えいたしましたが、県民会議におきましては、地域における子育て支援や仕事と生活の調和を初めとして、部局横断的な課題を多く掲げておりますので、県民会議の部会には庁内の関係課長が毎回出席をして、各団体ですとかNPO、市町村の皆さんの生の声を直接お聞きをして具体的な施策への反映に努めているところでございます。
 医療、福祉から結婚という個人の領域まで、もとより少子化対策は大変幅の広い取り組みが必要でございます。このため、県では、中期総合計画の中で「出産・子育てにやさしい県への挑戦」ということで挑戦プロジェクトの一つに掲げて、関係部局が方向性を一つにして施策を実施をしている、こういうことでございます。
 来年度は、平成22年度からの5カ年間を対象といたします子育て支援の新たな行動計画を策定をするということとしておりまして、今後も、関係部局長をメンバーといたします少子化対策推進会議で部局間の調整を十分図りながら、県民会議と連携して総合的な少子化対策に取り組んでまいる所存でございます。

 次に、少子化対策におきます重点施策について御質問ございました。
 1.57ショックというふうに呼ばれました1990年以降、国は、育児休業法の施行、エンゼルプランの策定、児童手当の充実、保育所待機児童ゼロ作戦など、次々と少子化対策に取り組んでまいりました。御案内のとおり、少子化傾向に歯どめはなかなかかかってはおりません。
 本県もその例外ではなく、国よりも若干高目に推移はしておりますが、合計特殊出生率は同様に下がってきておりまして、これをやれば直ちに効果が上がるという即効性のある施策がなかなか見出せないというのが実情でございます。
 県という立場にはやはり一定の限界があるなというふうには感じておりますが、県といたしましては、先ほど申し上げました中期総合計画の挑戦プロジェクトの達成をしていくということで、県民が一体となった少子化対策を推進する、出産、育児の支援体制をつくる、子育て、教育環境を充実する、仕事と家庭の両立の支援をする、結婚の希望をかなえるための支援を行う、こういう五つの柱をつくっておりますので、この柱に沿いまして来年度も幾つか事業化をいたしましたけれども、今後とも、効果がありそうな事業を地道に、かつ着実に推進をしてまいりたいと考えております。
        

■島陽子

ただいま副知事からお話がありましたけれども、大変たくさんの事業があります。これを仕分けたり束ねたりするのが企画部の役割かと思います。また、いろいろな計画ができてくると、そのために県民がいるという格好にも陥りがちですが、そうではなくて、そこに具体的に生き生きとした子供の姿が浮かび上がってくるような応援県民会議の議論をまちたいと思います。
 次に、児童福祉の観点から、子を扶養する人への給付について社会部長に質問します。
 現在、県として、子供の養育に貢献する給付に児童手当があると思いますが、支給対象割合やその条件はどうなっているか。お尋ねします。

    

◎社会部長
 (和田恭良)

児童手当制度についてのお尋ねでございますけれども、これは、小学校修了前までの児童を扶養している一定の所得以下の保護者に対しまして、児童1人当たり月額5,000円から1万円が支給されるものでございます。
 平成20年2月末現在でございますが、県内で受給している児童数は約24万人でございまして、近年行われました支給対象年齢の引き上げ、所得制限の緩和等によりまして、支給率は対象年齢児童のおよそ90%となっています。

     

■島陽子

児童手当は拡大されつつありますが、所得制限の壁もあり、子育て応援というより、まだまだ生活支援的な色合いも濃いかと思います。暮らし回りの充実を果たすためにも、子育て格差の解消が必要かと思われます。
 きのうの金子議員の質問にも重なりますが、各種の現物現金給付のある中、このたびの15億の安心こども基金という、額は大きいけれども裁量の幅が大変狭いお金が交付されました。社会部長においては、要望書ではっきりお伝えいただいたということです。頼んでいないメニューを提供されても、だれも満足しないし、注文したいものが違うのだということですね。
 全国的にも保育園に通う子が幼稚園に通う子に比べて多く、待機児童もほとんどいないという実態を把握されずに、保育園整備、しかも条件や制約だらけのひもつきのお金だからです。国の画一的かつ硬直的な仕組みの一例であり、地方の実情を知らない官僚による地方自治体の職員泣かせの制度は、県民にとって有益とは思えません。
 とにかく過熱ぎみの少子化対策にあおられて産んでほしいと周囲が願っても、産んだらそこからは自己責任と言わんばかりに実際の養育費や教育コストはかかります。健全な青少年に成長してくれるのかという不安もあります。
 そこで、学費に関してお聞きします。教育費の適正化についての質問です。これまでにほかの議員からも類似の問いが繰り返しなされました学費についての質問です。
 公立高校の授業料の減免措置がほぼ1割に迫りつつある現状について、この実態を県教委としてどのように解消していくのかをお聞きします。
 10人に1人が授業料を納められないのは、公費負担の見地からはやや危険な水域に達しているかもしれないと心配です。今、2月補正の高校教育使用料では、当初予算で見積もった6,800万円の授業料が結果として納められないために減額修正を余儀なくされております。片や教育の機会均等、反面で受益者負担の公正性の観点から難しい問題と考えますが、県教委の今後の見通しも含めての見解をお尋ねします。
 下沢議員の質問にも関係しますが、もう一つ、減免を受ける生徒と奨学金貸与の相関関係についても分析されているかをお聞きします。
 また、学校徴収金についても、学校間によって差はあれ、全体的には決して負担が軽いとは言えないままになっております。私が以前に要望したこの徴収金の額適正化についてどこまで検討が進んでいるのかを御説明ください。
 もう一つ、景気悪化などの目下の経済状況で、親の金銭的負担を理由に、卒業後の進路選択がままならない、断念、あるいは転換するなどといった影響は出ていないでしょうか。すべて教育長に御所見を伺います。

       

◎教育長
 (山口利幸)

教育費についてのお尋ねでございます。
 授業料減免制度は、奨学金制度とともに、経済的な理由によって就学困難な生徒に対しまして教育の機会を保障するセーフティーネットとして機能しているところでございます。
 議員から機会均等と公平性という御意見をいただきましたが、現在の低迷している経済状況や不安定な雇用情勢は今後さらに長期化することが懸念され、これに伴いまして、経済的な問題を抱える保護者も増加することが予想されます。引き続き、制度の周知等に努めまして、保護者の皆様の負担軽減を図ることにより教育の機会均等を図ってまいりたいと考えております。
 それから、減免と奨学金との相関関係についてのお尋ねでございますけれども、この二つの制度はそれぞれ要件が定められておりまして、どちらか一方だけということではなくて、両方をあわせて受けることも認められております。
 制度の利用状況につきましてですが、減免と奨学金をあわせて受けている方、それから両方の要件は満たしていても減免のみを受けている方、奨学金のみの要件を満たして奨学金のみを受けている方とさまざまでございまして、二つの制度の利用につきましての相関性は見出しにくく、各家庭の経済状況でありますとか、あるいは将来の見通しや考え方などを考慮して利用する制度を選択していただいていると、こんなふうに見ておるところでございます。

 次に、学校徴収金の金額の適正化についてのお尋ねでございます。
 このことにつきましては、昨年の9月議会において島議員からの質問にお答えしたところでございますが、学校徴収金は、各学校のPTAや生徒会、学年活動などの経費に充てられていることから、各学校におきまして、それぞれの会計の事業費を踏まえて適正な額を定めるとともに、保護者の皆様の御理解をいただいて徴収することが大切であると考えております。

 これまでに開催された校長会や事務長会の場で、適正な徴収金額の設定や保護者への明確な内容説明などについて周知を図ったところでございます。新学期に向けまして、各学校で一層の適正化が図られるよう引き続き取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、経済状況の進路選択への影響についてのお尋ねでございます。
 ことし3月の高校卒業予定者の中には、大学進学を目指す生徒が、受験する私立大学の数を減らしたり、専ら国公立大学に絞り込んだりする事例や、進学から就職に変更したり、4年制大学から短大などに変更したりする等の事例があると承知しております。
 保護者の経済状況が進路にどんな程度影響を与えるかどうかについては細部にわたって把握は困難でございますが、景気悪化の影響が生徒の進路に及んでいるのではないかというふうには感じております。
 県教育委員会といたしましては、校長会や全県の進路指導担当教員を対象とする研究協議会などを通しまして、進学後の奨学金の受給や学費の免除といったことも含め、一層きめ細やかな進路指導を行っていくよう各学校に徹底してまいる所存でございます。
 以上でございます。

       

■島陽子 そういった生徒の進路選択も踏まえた上で、引き続き、あり方研究に入ろうとしている長野県短期大学について何点か確認させていただきます。
 きのう西沢議員からも御質問ありましたが、私は、事務執行の立場にある教育委員会にお聞きし、少しばかり現状を把握したいと思います。
 まず、長野県短期大学の入学者について、過去数年の志願倍率と志願者の出身県の状況をお尋ねします。また、その志願倍率は県内外の短大と比べてどうなっているでしょうか。さらに、過去数年の就職状況について教えてください。教育長、お願いします。

       
◎教育長
 (山口利幸)
長野県短期大学についてのお尋ねでございます。いずれの御質問にも過去3カ年間の状況をもってお答えします。
 初めに、志願倍率でございますけれども、3.5倍から4.5倍であり、志願者における県内出身者の割合は7割程度でございます。
 次に、他の短期大学との志願倍率の比較でございますけれども、県内の短期大学の中では県短期大学の倍率が最も高いという状況が続いております。また、県外の短期大学との比較につきましては、25校ある公立短期大学のうち志願倍率の高いほうから2位から6位であり、全国的にも志願倍率が高い状況にございます。
 次に、就職状況でございますけれども、就職を希望する学生のうち実際に就職できた学生の割合が98%と非常に高い割合であり、製造、金融、販売、幼稚園、保育園など多様な業種に幅広く就職しております。
 以上でございます。
          
■島陽子 きのう知事からの答弁に、19年度の包括外部監査の提言も参考にされたとありましたが、そこでは分析及び考察の対象になっていなかった点についてもお尋ねしたいと思います。
 県短期大学の学生はどんなところに魅力を感じて選んだのか。また、入学してみての満足度の調査などを実施し、学生の意識をこれまでつかんだ経過はありますでしょうか。教育長にお聞きします。
     
◎教育長
 (山口利幸)
学生の意識についてのお尋ねでございます。
 御質問の県短期大学が選ばれた理由につきましては、県短では、所在地が県内であること、学費の低さ、就職率の高さ、歴史や伝統などといった点に魅力を感じたという声を聞いているところでございます。
 また、学生の満足度でございますが、県短が卒業予定者を対象に満足度調査を平成18年度、19年度に実施し、取りまとめております。それによりますと、総合評価としましての満足度は、満足及びやや満足を合わせて平成18年度は88.1%、平成19年度は78.5%であり、大部分の学生が県短で学んだことに満足している状況がうかがえるところでございます。
       

■島陽子

 

先週、長野県短は入試が行われました。志願倍率は、ただいま教育長から御案内のあったとおり、ここのところ変わらず厳しい大学間競争の中で高い数字を維持しており、また、同様に、このところの就職率も希望者のほぼ100%と誇るべき水準を維持しております。
 本年の志願状況として、先行的に県立の短大から4年制に移行したお隣の山梨や新潟から本県の県短を志望して流入している傾向も見られると耳に挟んでおります。なぜでしょう。学費が4年制化で上がってしまったのです。県短のほうがずっと安く、修学期間も半分です。そういった進路を選択する余地がお隣の県になくなり、流入傾向があるようです。卒業後は、地元の有力・優良企業に変わらず人材供給され続け、これらの実績もあり、これから学ぶ学生にとって貴重な存在となっているのではないでしょうか。
 大学を取り巻く環境としては、現在、いろいろな意味で曲がり角にあるのではないかと推察されます。大学入試センターの選抜試験導入後20年が経過、国公立大学の独立法人化は進み、学校間格差も生まれつつあり、この制度の検証や評価は既に始められています。私大の深刻な経営難も繰り返し伝えられ、大学の危機は早晩迎える兆しが見え始めたかのようです。
 志願傾向からも言えますが、有為な人材が移動するために、その流動性を高める仕掛けを持たせるようなあり方研究が今後必要と思われます。先んじて4年制を併設した近隣の清泉女学院には県のOBも事務局に入っているようですから、先行例として十分に参考にしていただきたいと思います。
 どうか、現状分析には、今の県短ブランドや人気を損なわず、伝統や歴史を大切に改革していただきたいと思います。その結果が原形のほうがよかったと決してならないように、将来見通しを持って注意深く慎重に進めていただきたい。それが短大の行く末を見守る地元議員の思いでもあります。
 本日は非常に駆け足でまいりましたので、先ほど企画部長からるる御答弁いただきました子ども・子育て応援県民会議に関して私から一つ提案をさせていただきたいと思います。
 国は、たくさんの事業やいろいろなメニューを地方に掲げ、それを遂行するように迫るわけですけれども、この際、長野県の子育て安心のためには、今現在、何が足りなくて、何を補うべきなのか一度点検してみることも必要ではないでしょうか。内閣府、厚生労働省、文部科学省、そして経済産業省といろいろな省益のある中で、やはり地方のあり方ということをしっかり見据えていただきたいと思っています。長野県には、今現在で間に合っていること、全国的に誇れるほどそろっていること、こうした点もたくさんあると思います。
 この際、長野県版のこども白書のようなものを提案いたします。育児や教育に関係したいろいろな財政コストも含めた客観的指標や数値を盛り込み、長野県の子育ての実像を描き出す作業に県民が多く取り組むことで、信州は子育てをしやすい、子育てに理解の深い県だという発信力にもつながると思います。政務調査にも外の都道府県からたくさんお越しになることを祈念しまして、私の質問を終わります。
    

 

 

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