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 > トップ    > 議会だより  2月定例会[下沢議員]

 

 

■下沢順一郎        

公立病院改革についてお聞きいたします。
 ガイドラインによると、今回の公立病院改革の究極の目的は、改革を通じ、公民の適切な役割分担のもと、地域において必要な医療提供体制の確保を図ることであるとされています。今回のように、公立病院を独立行政法人とした上で維持すると判断した以上は、ガイドラインに従って、厳しい財政事情の中であっても、きちんとした取り決めをした上で一般会計から適切な負担を行っていく必要があります。

 さて、先日の新聞に、ある県立病院が4億円の黒字を計上したとありました。一方、この病院には17億円の繰り入れがあるという事実があります。そこで、赤字、黒字を明確にしておく必要があると思いますが、その基準を明示してください。
 続きまして、今回の改革が医師不足・医師確保対策になるとされています。マグネットホスピタルをつくることにより、医師が多く集まり、当直勤務負担が軽減される、症例研究が豊富になり、若い医師が集まる、医師派遣が容易になるなど挙げられるでしょう。しかし、問題は、医師、看護師を守り育てる姿勢、つまり中身が重要ではないでしょうか。
 私は、この改革が成功するかどうかは、医師、看護師など病院に勤務する者のやる気にかかっているかと思います。勤務したいという魅力ある病院にしなければなりません。そのためには研修制度の充実が必要ですが、現在の県の病院ではその機能が欠けているのではないでしょうか。

 医師不足は言われて久しいですが、看護師の確保も同様に難しくなってきています。現在、看護学校などを卒業した新人の看護師が最低限身につけてほしい基本技術として103の看護行為があるとされていますが、そのうち、卒業後自信を持って行えるのは基本的なベッドメーキングなど4行為しかないとも言われております。残りの看護行為は勤務しながら現場で覚えるしかない。そこで、現場との余りの差にショックを受ける。これをリアリティーショックと言うそうですが、初年度に看護師をやめてしまう大きな原因とも言われております。これを少なくするためには研修制度の充実がとても重要だと言わざるを得ません。

 そこで、お尋ねします。
 医師、看護師等の確保を図る上で、スキルアップのため研修制度の充実が必要と考えるが、いかがでしょうか。

 次に、地方独立行政法人の業務実績の評価についてお尋ねします。
 今の地方公営企業制度でありますと、事業年度終了後3カ月以内に決算を取りまとめた上で、直近の議会へ報告がされています。地方独立行政法人に移行すると、法人の事業評価は評価委員会が行い、その結果はやはり議会へ報告されると聞いております。その結果がすべて公開されるという点で、情報公開の時代に即した制度であるとは思います。
 そこで、評価委員会からは一体どのような事業評価が報告されるのでしょうか。また、これが全面的に公開されることのねらいは一体どこにあるのでしょうか。

 以上3点について病院事業局長にお伺いいたします。

      

◎衛生部病院
  事業局長
 (勝山努)

 

地方独立行政法人化後の経営状況の判断基準についての御質問です。
 知事からも再三にわたり申し上げましたとおり、地方独立行政法人となっても現在と変わらず、僻地医療や高度医療などの不採算医療が引き続き提供できるように、適正な経費を県として負担してまいります。
 先ほども宮澤議員の御質問にお答えいたしましたが、地方独立行政法人法の規定では、法人の事業の経営に伴う収入をもって充てることが適当でない経費、法人の性質上効率的な運営を行ってもなおその事業の経営に伴う収入のみをもって充てることが客観的に困難な経費については、これは現在も同様なんですが、今後も設立団体が負担することとされております。この規定は、現在の一般会計から病院事業会計への繰り出しと同様な基準です。法人としては、この負担を受けた上で経営の健全性を判断すべきものと考えております。
 ただ、先ほど宮澤議員からの御質問にもお答えしましたとおり、本県は日本でも有数の医療費節約県であります。それが結果的に病院の経営を難しくしているという面があります。県立阿南病院の経営と大都会の公的病院の経営の比較は単純には行えないものと思っておりますので、この辺についてはどうか御理解のほどお願い申し上げます。

 次に、病院職員の研修制度に関する御質問です。
 昨今、医療を取り巻く環境は大きく変化してきております。これに対応し病院機能を向上させるには、これは全く議員御指摘のとおりなんですが、医師から事務職員まですべての病院職員の育成が非常に重要な課題というように思っております。しかし、残念ながら現在の県立病院には研修センターもありませんで、研修体制は極めて不十分と言わざるを得ない状況です。
 今後、多彩で魅力ある研修カリキュラムを提供できる体制を構築する必要があることはもちろんですが、5病院のネットワークを構築することによって、今ある図書や文献、データなどの資源を相互に十分活用できるように努め、研修・研究環境の一層の整備を進めるなど、医師に魅力を感じてもらえる病院としていくことが非常に大切だと思っております。
 また、看護師、コメディカル職員、事務職員につきましても基礎的研修を充実させるとともに、認定看護師の資格やおのおのの職種ごとの専門資格を取得できる研修プログラムをつくることにより優秀な人材を育て、集めることができます。
 病院で働く職員が夢を持てる研修制度を設けることが県立病院の医療機能の充実につながり、それが患者さんへの医療サービスの向上につながってまいりますので、地方独立行政法人化に際しては制度の利点を十分に活用した研修体制の構築に最大限の力を傾注してまいりたいと考えております。

 次に、評価委員会の評価に関する御質問です。
 地方独立行政法人制度には、中期目標、中期計画、年度計画による計画的な業務運営を図ることと、これに対する実績評価が導入されております。この実績評価については、評価委員会が客観的な評価基準を定め、毎年、法人の中期計画の実施状況の調査及び分析を行い、その達成度をチェックして総合的な評定を行うこととなっております。
 また、必要があれば法人に対して業務運営の改善等の勧告を行うこともできることになっております。
 さらに、知事はこの評価結果を議会に報告することが法律で義務づけられており、法人の業務運営に関して議会の監視が及ぶシステムとなっております。
 現在は財務状況を中心に公表されておりますが、地方独立行政法人化後は、財務状況だけではなく、医療機能の充実に視点を置いた評価が広く公表されますので、従来に比べて病院の運営状況の透明性が格段に高まり、地域の皆さんと病院に対する理解を共有することができます。
 こうしたことで病院機能の向上に向けた法人の自律的な運営が促されることになり、これが地方独立行政法人制度の大きな眼目であると考えております。
 以上です。

     

■下沢順一郎

医師、看護師、事務職、それぞれの研修はぜひしっかりと行っていただきたいなとつくづく思います。

 続きまして、教育委員会へ中1ギャップ対策についてお聞きします。
 先日の教育委員長の議案説明によると、平成19年度に、県内の小中学校において、不登校を理由に長期欠席した児童生徒数は2,764人と平成15年度に比べて386人増加しています。特に、中学1年生になって違う環境の中で対応することができず、不登校になる子供たちも570名、対6年2.9倍おります。また、小学校6年生の不登校が全体の0.9%であるのに対して、中学1年生では2.5%と一気に上がります。これらの結果は、中学1年生の時点での対応が非常に大切であるということのあらわれであります。
 そして、原因の一つである勉強がわからないという場合、多くは小学校高学年の勉強、つまり基礎がわからないケースが多いのです。その対応として、平成20年度から登校支援推進地域を県内4校指定して生徒指導を始めたとされています。また、平成21年度は活用方法選択型教員配置事業を行う、また、小中連携による学力向上地域推進事業についても実践的な研究を進めているとのことであります。

 以上を踏まえて3点お聞きいたします。
 1、中1ギャップに対する教育委員会の認識について教育長にお聞きします。
 2、これらの事業が相互に補完し合い、勉強が好きになる子供が多くなること、つまり中1ギャップの要因の一つが排除されることを期待するものでありますが、それぞれの事業の成果、さらにどのように発展させようとしているのか。教育長にお聞きします。
 3、教員の小中連携事業を全県に速やかに広めることが重要だと思います。それぞれの実践研究の成果を踏まえ、新しい信州教育の基礎として普及させてもらいたいと思いますが、教育委員長にお聞きいたします。

 続きまして、最近の入学金不納についてお聞きします。
 世界的な不況を受け、県内でも家計における教育費の負担はますます重くのしかかっております。そのあらわれとして、私立の高校や大学に入学予定者の辞退や入学金の延納に関する問い合わせが多くなっていると聞き及びます。
 2月4日の新聞によると、松本大学では合格から2週間以内に入学金や前期授業料80万円を一括納入することになっていますが、すんなりと納付できるかは心配や不安があり、既に問い合わせは二十数件に上っていて、そのうち2名は入学辞退となったとのことです。
 松本第一高校は、在学生の授業料の減免申請が、554名の生徒中16%に当たる約90名が県の授業料助成金制度を申請し、一部あるいは全額の支払いを免除されているようです。エクセラン高校では、入学金の延納が2件あったとされています。

 そこで、お聞きします。
 1、現時点で把握している県内私立高校の授業料の滞納状況、減免状況、奨学金状況について総務部長にお聞きします。
 また、昨年の公立高校での授業料の滞納状況、減免状況、奨学金利用状況について教育長にお聞きします。
 3、100年に一度の経済状況の中、若者たちに等しく教育の機会を確保するため県として助成制度をさらに拡充する必要があると思われますが、いかがお考えか。教育長にお聞きいたします。

 続いて、再任用制度についてお聞きします。
 本格的な高齢化社会に対応し、高齢公務員の知識、経験を社会で活用する、また、60歳代前半の生活を支えることから、再任用制度が平成13年度より導入されています。
 しかし、教員の年齢構成にひずみが生じることもまた事実であります。経験を生かすことと同時に、若い人の教職員への道を閉ざすわけにもいきません。特に、このような景気後退期の状況では、大変難しい問題と同様に重要な問題でもあります。
 そこで、この問題に対して教育長はどのように考えるのかをお聞きいたします。

      

◎教育長
 (山口利幸)

まず、中1ギャップについてのお尋ねでございます。
 中学1年生で不登校が急増するいわゆる中1ギャップの現象は、近年、全国で大きく注目されているところでございます。
 本県におきましても、小学校6年生から中学校1年生の学年間増加率を見ますと、他の学年間に比べて突出しておりまして、全国と同様の傾向でございます。
 県教育委員会といたしましては、こういった状況を受けまして、中1ギャップの解消に向け、教師間の連携や児童生徒理解、学習支援の観点などから、小中学校の接続をスムーズにするための取り組みをしているところでございます。
 その関連する諸事業についてのお尋ねでございますけれども、初めに、登校支援推進地域につきましては、本年度から、不登校にならないよう早期発見、早期対応のために、小中の連携について研究するモデル地区を県内に4カ所指定いたしまして、拠点中学校に小中連携推進教員を配置いたしました。指定地域からの報告では、情報交換がスムーズになり、小中学校職員間の信頼関係が深まった、子供との触れ合いや子供への理解を深めることができたなど、成果が上がったとの報告を受けております。
 次に、活用方法選択型教員配置事業についてでございますが、本事業の一つでありますいわゆる中1ギャップ対応につきましては、平成18年度から、不登校生徒が多い等の課題を抱える中学校に児童生徒適応指導教員、いわゆる中1サポーターでございますが、を配置しております。この事業によりまして加配された教員が不登校生徒の家庭を訪問し、関係を深めたり、学級担任等と連携をしまして校内外に支援体制をつくったりする一方で、小学校との連続的な指導も視野に入れまして、小学校を訪問し、不登校の兆候を持つ児童生徒を把握し未然に防ぐ手だてを講ずることで不登校生徒が減少するなど、不登校対策に成果を上げているところでございます。

 次に、小中連携による学力向上地域推進事業についてでございます。
 中1ギャップの要因としまして学習面でのつまずきもあることから、本年度より四つの推進地区を指定しまして、比較的つまずきが多く出る算数、数学におきまして、中学校の教師が校区内の小学校に出向いて算数の授業を行ったり、指導方法について助言したりしております。
 全県の学力向上報告会では、推進地区の教師から、小中9年間の学習内容の系統を見通して指導することの大切さに気づいたことや、算数がわかるようになった、中学校生活のイメージが持てたと話す児童が多くいることなどが紹介されております。
 今後、現在の6年生が中学校へ進学してからの受け入れ態勢を一層整え、子供たちの学校生活の様子からこれらの事業を検証をするとともに、校長・教頭研修会、報告会等を通して成果を県内に普及しまして、小中が連携した取り組みをさらに強めてまいりたいと考えております。

 次に、授業料や奨学金に関するお尋ねでございます。
 まず、県立高校の授業料の滞納につきましては、昨年度中に納入されず、本年度に滞納繰り越しとなった額は、以前からの繰り越し分も含めまして、延べ175人、910万円余でございます。このうち1月までに約286万円が納入されておりまして、1月末日現在の滞納残額は624万円余となっております。

 次に、昨年度の授業料減免につきましては、4,694人が減免を受けており、減免率は9.2%でございます。
 公立高校の奨学金利用者につきましては537人で、私立高校の利用者と合わせて、県の奨学金利用者は894人でございます。

 次に、制度の拡充に関するお尋ねでございます。
 文部科学省の調査によれば、昨年度の本県の減免率9.2%は全国でも中位に位置しておりまして、減免基準は他県との比較においても適正な水準にあると考えております。

 次に、高校奨学金の貸与月額は、公立が1万8,000円、私立が3万円でありますが、全国の40都府県が本県と同額になっております。
 また、本県の地理的特性から他県では余り例がない遠距離通学費の制度を設けまして、上限を2万6,000円としておりまして、遠距離や自宅外通学者に手厚い制度になっております。
 本県の授業料減免や奨学金の制度につきましては、全国的に見てもセーフティーネットとして相応の水準にあるものと認識しておりまして、現時点で見直しの考え方はございません。
 間もなく新学期を迎えることから、さらに制度の周知に努めまして、経済的に困難な保護者の皆様に御活用いただけるようにしてまいりたいと考えております。

 最後のお尋ねでございますが、教員の再任用に関するお尋ねでございます。
 再任用制度の目的は、年金制度の改正にあわせて、60歳代前半の生活を雇用と年金の連携によって支えること、あわせて、少子・高齢化の進行に伴い、高齢者の知識、経験を活用することでございます。
 再任用制度が若い人の教職への道を閉ざすことになっていないかとの御指摘でございますが、再任用者の多くは、長い経験によって培われた指導力が生きる少人数学習指導や児童生徒適応指導といった校務を担っております。このような職場では、若い講師が再任用の方々とともに教育活動に当たることでその方々の経験に学ぶことができ、指導力の向上にも役立っております。
 今後とも若手教員の範となって取り組んでいただけるよう、制度の趣旨に沿った運用に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

     

◎教育委員会
  委員長
 (矢ア和広)

小中連携の普及に関するお尋ねにお答えをいたします。
 全県への小中連携の普及につきましては、今教育長が申し上げましたように、1年間の研究指定校における一定の成果、そしてまた指定校以外の学校での小中連携に向けた動きの高まり等があるところであります。
 不登校対策は県教委としての最重要課題の一つであることから、小中及び複数教科が指導できる教員の配置、担当する指導時間数や時間割調整などの課題を踏まえ、前向きに検討をしてまいりたいと思います。

     

◎総務部長
 (浦野昭治)

私立高等学校の授業料の滞納などの状況でございますけれども、県内の私立高等学校におきます授業料滞納状況でございますが、昨年の9月末現在で3カ月以上の滞納者を調査いたしましたところ、前年より6人減の86人でございます。
 それから、減免の状況でございますけれども、私立高等学校の生徒の入学金や授業料を軽減した場合に学校法人に補助をいたしておりますが、その補助対象者数で見ますと、平成20年の12月現在の状況でございますけれども、全額免除が590人、一部軽減が614人、合わせて1,204人でございます。全生徒数の11.2%を占めております。
 その後、補助対象者数は、全額免除と一部軽減を合わせてさらに20人程度ふえる見込みでございます。
 次に、高等学校の奨学金を受けている私学の生徒でございますけれども、先ほど教育長お話申し上げたうちの数字になりますが、357人というふうになっております。
 以上でございます。

       

■下沢順一郎

中1ギャップについてですが、先ほど教育委員長のほうから動きの高まりというようなことをおっしゃいまして、前向きに検討していただけるということでございます。これが全県にわたることこそ、少人数学級とかそういう問題と同様に、非常に子供たちが生き生きとして教育が学べる環境がつくれるというふうに私は思っております。ぜひ、全県に取り組まれるように早急なる取り組みをお願いしたいなというふうにあわせて申し上げたいと思います。

 それから、入学金の不納につきましてですが、減免状況で、私立のほうで11.2%、それから公立のほうでも9.2%ということでございます。10%前後というのはかなりいい数字ではないかなとつくづく思います。ぜひ、助成制度のさらなる拡充を検討していただければ大変ありがたいというふうに思います。
 それから、再任用制度につきましては、ぜひバランスを考えて今後もやっていただければありがたいと思います。
 高校入試と現代史についてお聞きします。
 最近の海外でのニュースの中に、日本の学生は自分のことを知らないというシーンが出てきます。確かに、歴史の授業は高校では選択であり、現代史を学ぶ機会は少なくなります。ということは、中学生の段階で学ばない場合、全く現代史に触れずに終わってしまう生徒も出てくるわけです。
 一方で、現代史は2学年の3学期に学習することになっていますが、授業の進度管理の関係で現代史がおざなりになっているのではないでしょうか。最近の高校入試の問題には、毎年、現代史について出題されています。この点を考えても、中学時代にしっかりと現代史を学習することにより現代の学生に日本の現状を教育すべきと考えるが、いかがでしょうか。
 また、社会科だけでなく、他の教科においても授業の進度管理がうまくいっていない状況はないか、また、どのように把握し、対策を講じているのか。
 以上、教育長にお聞きします。

 続いて、登下校時の安全確保についてお聞きします。
 2月5日の不審者情報では、松本市清水小学校児童が4日下校中、学校の周辺の道路で眼鏡の不審者に頭を殴られる事案があった、警察に通報、児童に指導済み、登下校に注意、レベル3というものでした。
 昨年は、中学の女子生徒が車に押し込めれそうになったり、不審者が小学生に声かけするような事案は後を絶ちません。
 このような不審者情報は親にとってとても大切なものですが、県内の不審者に対する状況について教育委員会としてはどこまで把握して、どのような分析をされているのか。お聞きします。

 続いて、モンスターペアレント対策についてお聞きします。
 いじめた児童を指導したら担任が保護者から何度もおどされた、虐待を児童相談所に通告すると保護者が学校に暴言を繰り返した、おどしまがいの言葉で授業料徴収を逃れようとしたなどのような、学校に理不尽な要求を繰り返すいわゆるモンスターペアレントが問題となっています。
 東京都では、平成21年度より学校問題解決サポートセンターを設置し、トラブルの予防策や対応策を示す手引書の作成や、担当者が学校、保護者双方から意見を聞き、解決策を示すなどの事業を行うとしています。
 そこで、長野県の現在のモンスターペアレントの把握状況と対応策についてお聞きします。

         

◎教育長
 (山口利幸)

中学校における現代史の授業についてのお尋ねでございます。

 御指摘のように、現代史を学習することは大切なことであると考えております。特に、戦後の混乱の時期から、憲法の制定を初め、大きな我が国の改革が次々に進められ、我が国の骨組みが形成された戦後の歴史につきましては、国民の努力によって新しい日本が建設された経過を学ぶことになり、極めて重要であると考えております。

 次に、授業の進度管理についてのお尋ねでございます。
 各学校では、校長の指導のもと、年度当初に教科領域ごとに年間指導計画を作成しまして、それに基づいて授業を進めるとともに、教え方や進度等を検討する会を定期的に開催し、適切な時期に実施されるようにしております。
 また、市町村教育委員会では、学校から提出された年間指導計画に沿いまして授業が進められているかどうか随時確認するとともに、指導を行っております。
 県教育委員会では、各学校におきまして適切な教育課程が編成、実施されるよう、指導主事の学校訪問や教育課程研究協議会などの各種研修会、学習指導手引書等参考資料の配布によりまして、今後とも学校や市町村教育委員会に対しまして支援を行ってまいりたいと、こんなふうに考えております。
 

次に、不審者情報についてのお尋ねでございます。
 不審者情報につきましては、注意喚起が必要な事案が発生した場合には、学校や市町村教育委員会から教育事務所や地区の校長会等を通じまして近隣の学校や関係者へ連絡されるようになっております。また、警察からも、ライポくん安心メールのシステムによりまして、関係機関や各学校へ伝えられております。
 さらに、凶悪事件等で児童生徒の登下校に緊急対応が必要と考えられる場合には、県教育委員会として情報連絡体制を整備し、各学校へ注意喚起することになっております。

 モンスターペアレントの対策についてのお尋ねでございます。
 いわゆるモンスターペアレントにつきましては、どのような内容の訴えをしてくる保護者を指すのか、学校と保護者の認識の違いもあり、数字的に把握するということはなかなか困難であると感じております。しかし、一方的かつ理不尽と思われる要求や学校と家庭の連携が困難な状態となった事例があることは承知しております。
 これらの問題に対応するため、県教育委員会では、本年度から弁護士や医師などの外部の専門家から成る生徒指導総合対策会議を設置し、委員から生徒指導上の解決困難な問題に助言をいただき、学校を支援しているところでございます。
 また、各学校においては、教職員と保護者との信頼関係の構築に努め、保護者からの意見や要望に対しましては、対応マニュアルを作成し、教職員研修を行うとともに、管理職みずからが相談窓口になるなど、職員全員による相談体制の整備に取り組んでおります。
 県教育委員会といたしましては、今後も支援体制の整備に努めてまいりたいと、こんなふうに考えております。

       

下沢順一郎

登下校時の安全対策という点ですが、県警情報と、それから現場の情報をあわせて、分析という点が少し足りないんじゃないかなというふうに私は思います。現場の状況をしっかり把握して分析ができないとすると、例えば子供がなぜ登下校時に携帯を所持しなければならないのかということさえもわからないんじゃないかなというふうに私は考えます。この際、登下校時の安全が確保されるような情報の流れと同時に、分析、そして対応、それはもう少しやってもらいたいなというふうに思いますが、その点、教育委員長にお聞きします。
 それから、モンスターペアレントですが、昨年2月の議会で金子議員も指摘しておりますが、幼稚園から高校までの県内各校、各園を対象とした保護者からの要求を調査すべきだと思います。
 東京都の調査では、小中で9%、高校の15%が学校だけでは解決が困難なケースが発生したとしています。
 今後さらに多くなりそうなこれらへの対応に対して、トラブルを未然に防ぎ、問題が起きた場合は迅速に解決策を提示するため、また深刻化した場合の専門家による調停まで考えた策を考える時期に来ているんではないかなと思われます。
 あわせて御提案させていただきます。御答弁をお願いします。

        

◎教育委員会
  委員長
 (矢ア和広)

登下校時の安全の確保についての御質問でありますが、基本的には、学校では、登下校の安全に関しまして、各学校において児童生徒一人一人が危険回避能力を身につけることを目標として安全教育を実施をしてきています。
 不審者情報の収集や発信を含め、登下校の安全確保は、学校、地域、警察署、市町村教育委員会が連携し、地域の実情に合わせ、地域全体で取り組むことが最も必要であるという考え方を持っております。いわゆる地域の子供は地域で守るという考え方であります。
 県教委は、そうした体制づくりの支援、そして、議員御指摘のいろいろな状況における情報分析等々を市町村教育委員会に分析をして情報を流していく、そういう立場だと、そのように考えております。

       

◎教育長
 (山口利幸)

保護者からの要求に関する調査あるいは対応策についての御提案をちょうだいしました。
 御提案の実態調査につきましては、県内の学校におきまして保護者からどのような要望、要求が寄せられているのか、学校の対応状況も含めまして実態調査の実施について検討してまいりたいと思います。
 保護者等から理不尽な要求等を受けた学校への支援につきましては、今年度、校長・教頭研修会におきまして実施しました保護者からのクレーム対応、学校の危機管理に関する講習を今後さらに充実させていくとともに、トラブルの未然防止策としまして、保護者との対話を深め、誠意を持った対応が行われるよう指導してまいりたいと考えております。
 また、専門家派遣による学校支援についてでございますが、県教委としてどのような支援策が考えられるか、市町村教育委員会の御意見もお聞きしながら研究してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

      

下沢順一郎

登下校時の安全については随分しっかりできているというようなお話のようですが、私もしっかりと今後を見守ってまいりたいというふうに思います。
 消防団と行方不明者捜査についてお聞きします。
 認知症対策は地域を挙げて取り組むべき課題であります。21年度予算の中に、認知症地域支援体制構築等推進事業があります。認知症の人が住みなれた地域で安心して暮らすためには、認知症の人とその家族を地域で支えるネットワークづくりが重要であるとの考え方から、医療、介護、福祉、行政などの地域資源をネットワーク化し、連携しながら支援できる体制づくりを構築するというものです。このような取り組みは認知症対策として大変有効なものだと考えます。
 この事業は、昨年、飯綱町をモデル地域として始められたと聞いておりますが、県としての認識はどのようなものか。また、今後の取り組みについてもお聞きします。


 また、認知症の人などが行方不明者となった場合、消防団が中心になって捜索に当たります。この行方不明者の捜索については、長野や松本などの地域において消防団への出動依頼が増加傾向にあり、分団長等の負担要因となっております。
 そこで、認知症者の捜索について、地域全体がかかわるこの事業を通して行われることにより、より効果的に捜索も進むこととなり、結果的に消防団員の負担軽減につながるものではないかと考えます。
 ひいては、消防団員の確保にもつながることが期待され、消防団の充実強化として提案されている消防団応援減税の拡充、延長の支援とともに、この事業の推進は消防団支援の方策としても有効であるのではないかと考えますが、いかがお考えになりますか。
 以上、板倉副知事にお聞きいたします。

    

◎副知事
 (板倉敏和)

認知症地域支援体制構築等推進事業という名前の事業でございますが、これに関する御質問でございます。
 当モデル事業を実施をしております飯綱町では、消防、警察を初めとしまして、自治会、福祉施設、商店等住民の代表の方が役割を分担して、住民への啓発研修ですとか徘回者捜索のための連絡網の整備など、そういう取り組みを大変熱心に行っていただいていたというふうに聞いております。
 町が全世帯を対象に行いましたアンケートでは、認知症の人の苦しみに気づき、声をかけられるようになったなどという声が寄せられておりまして、認知症対策を他人事としないで、住民みんなで考え、実行していくという意識の高まりが伺えると思います。こうした住民、関係機関による連携が、この取り組みの最大の成果ではないかというふうに考えております。
 今後、県では、引き続き別のモデル地域でこの事業に取り組みますとともに、飯綱町での成果を紹介するパンフレットによる啓発を行いますほか、新たに地域住民による支援体制づくりのための研修に助成をしますなど、認知症ケア体制の充実を図ってまいる所存でございます。

 次に、この事業の消防団への支援の有効性に関して御質問がございました。
 行方不明者捜索の面でも、各地域で消防団員の皆さんには大変御苦労をおかけしているわけでございます。最近の統計数値で見ますと、平成19年度の行方不明者捜索の消防団出動の回数でございますが、県全体で116回でございました。20年はまだ全体の集計は終わっておりません。特に、松本市にありましては、平成19年度は10回でございましたが、ことしの2月までに今年度分として28回の出動を数えているというふうに聞いております。
 この事業によりまして、住民、関係機関の連携が進んで消防団の負担が軽減されることになれば、消防団への一つの支援策としても大変有効ではないかというふうに思っております。

       

下沢順一郎

ぜひ御検討いただきたいなというふうに思います。

 続きまして、長野県警と裁判員制度についてお聞きします。
 ことし5月21日より始まる裁判員制度の模擬法廷の状況が、よく報道されるようになりました。長野県としても、昨年、DNA鑑定機をさらに1台導入したことにより、科学捜査の進展とともに、検挙率の向上に一役買っていると思われます。
 元東京地検特捜部長の宗像紀夫さんは、次のように語っております。
 裁判員制度が導入されると、捜査、公判はどのように変わるのか。私は、捜査に関して言えば、捜査の基本が変わることはないだろうと思っています。つまり、実体的真実発見という意味でもちろん物証、客観的な証拠も集める。しかし、被疑者から真実を引き出す努力はしなければならないし、自白を獲得して真相に迫るということは同じプロセスをとるのだろうと思います。ただ、一つだけ言えることは、裁判員に理解してもらうことが必要になるわけです。わかりやすい証拠収集、あるいは証拠の作成が必要になる。簡にして要を得たものをつくらなければいけないのではないだろうかと思います。

 さて、このように言われる裁判員制度ですが、もちろん準備は怠りないと思いますが、その進捗状況と裁判員制度が始まることへの警察本部長のお気持ちをお聞かせください。

 続いて、再任用制度についてですが、教育委員会で御説明しておりますので割愛させていただきますけれども、最近の県警職員の大量退職に伴う退職状況と再任用制度の活用、それに伴う若手警察官の雇用と育成状況、優秀な人材の確保、能力向上策について、その考え方をお聞きしたいと思います。
 また、交番、派出所の統廃合により起こる設置地域、場所への市民からの疑問、住民不安の声に対して、このたびの警察署の再編、配置に伴い、改めてその統廃合基準、設置基準について警察本部長にお聞きします。
 以上をもって私の質問とさせていただきます。

      

◎警察本部長
 (小谷渉)

県警察の取り組みについての三つの御質問にお答えを申し上げます。

 第1に、裁判員裁判制度に対する県警の取り組み等についてであります。
 本年5月21日から行われる裁判員裁判制度は、県民の中から選任された方が裁判員として一定の重大事件の刑事裁判に参加する制度であります。
 議員御指摘のとおり、警察としては、法律の専門家ではない裁判員に対し、警察の捜査結果をいかにわかりやすくお伝えをして犯行を立証していくかということについて工夫や配慮が必要になるわけであります。
 以下、県警察の主な取り組みについて三つ申し上げます。
 その1ですが、厳密な事実の認定になれておられない裁判員の方々に的確な心証を持っていただくためには、犯行を裏づける客観的証拠の収集が重要であるということから、DNA型鑑定に係る施設の整備や職員の増強などを行いました。
 その2ですが、捜査書類について裁判員の方々に理解していただけるよう簡潔、明瞭化を図りました。犯行現場の観察結果を記録する実況見分調書や検証調書については、客観的に事実を伝える写真を中心としたものに改めました。また、被疑者等の供述を記録する供述調書についても、内容を簡潔にして要点をわかりやすく記載するよう捜査員に対する指導、教育を進めております。
 その3ですが、警察の取り調べ段階で被疑者の自白が任意になされたものであることについて裁判員に向けた効果的、効率的な立証方法を検討するという趣旨で、本年4月以降、全国警察において取り調べの一部の録音、録画を試験実施することとしており、本県でも大規模警察署を中心に試験実施をいたします。
 間もなく始まる裁判員裁判制度は一連の司法制度改革の眼目ですので、警察としても同制度がスムーズに運用されるように引き続き真摯に対応してまいりたいと存じます。

 次に、県警職員の退職に伴う若手警察官の育成と退任者の再任制度についてでございます。
 県警察は、昨年度末から約10年間にわたる大量退職期を迎えており、ベテラン警察官が毎年100名前後退職する一方、若い警察官を多数採用しております。いかにして現場執行力の維持、強化を図るかが重要な課題であると認識をしております。議員御指摘のとおり、退職警察官を再任用したり、非常勤職員として採用することでこの大量退職期を乗り切ってまいりたいと考えております。
 警察官の再任用については、平成19年度1名、本年度4名を任用し、若手警察官の指導等に当たらせており、来年度も5名任用を予定しております。
 非常勤職員については、本年度、交番相談員、警察安全嘱託相談員、スクールサポーター等155名の退職警察職員を任用し、県民の皆様からの相談への対応や、若手警察官への指導に当たらせているほか、来年度には、ベテラン捜査官の知識、経験を若い世代に伝承させるため、捜査技能伝承官の制度を導入させていただきたいと考えております。
 一方で、若手警察官の確保育成については、警察本部に警察職員採用センターを設置し、首都圏を初め各地で就職ガイダンスを開催するなどして優秀な人材の確保に努めるとともに、警察学校での演技式実戦訓練や警察学校を卒業して間もない警察官に対するマンツーマン指導などにより育成を進めております。

 今後とも、再任用制度及び非常勤職員の活用と若手警察官の確保育成をバランスよく進めてまいります。

 最後に、交番、駐在所の標準的な設置基準に関する御質問についてであります。
 地域警察運営規則第15条1項を見ますと、「交番又は駐在所は、昼夜の人口、世帯数、面積、行政区画及び事件又は事故の発生の状況等の治安情勢に応じ、警察署の管轄区域を分けて定める所管区ごとに置くものとする。」と定め、また、同条第2項は、「交番は原則として都市部の地域に、駐在所は原則として都市部以外の地域に設けるものとする。」と定めていますが、交番、駐在所の設置基準についてそれ以上の定めはありません。
 警察では、交番及び駐在所が果たすべき機能を踏まえ、人口や事件・事故の発生状況等を勘案し、事件・事故が多発する都市部には交代制勤務の交番、治安状態が比較的安定している山間部等には朝から夕方まで同じ警察官が勤務する駐在所を設置しております。
 なお、都市化の進展や治安情勢の変化などにより事件・事故等が増加し、駐在所では十分な対応ができなくなっている市街地周辺地域では、隣接する交番、駐在所と統合し、警察官が常時勤務する交番に変えていくことも検討する必要があると考えております。
 このたび、長野県警察組織のあり方を考える懇話会から、交番、駐在所のあり方についても御意見をいただいておりますので、これを踏まえ、各地域の実情をつぶさに把握しながら検討してまいります。

 

 

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