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 > トップ    > 議会だより  2月定例会[野澤議員]

 

 

■野澤徹司
   
    

改革・緑新の野澤徹司でございます。

私は、工業を初め職業高校の実習設備についての質問を何回か行ってまいりました。今回は、それに加えて、人材の育成、特に工業人材の養成、育成についての質問をいたします。
 私の居住する諏訪地区では、昨年の秋の諏訪圏の工業メッセ、これは、松本はもとより、県内各地から多種多様の多くの企業が参加をしていただきました。

 1月31日、2月1日には、下諏訪の商工会議所の創立60周年記念「元気・日本!ロボット展」というのがございました。これは、経済産業省のことしのロボット大賞という受賞作品を全部集めまして、展示とともに、さらにまた人間を相手にワルツを踊るというダンスパートナーロボット、これは県内でできたものでございますけれども、そういうものを初めとしまして、これも県内の企業の参加もあり、非常に大盛況でありました。

 また、2月の13、14日には、今度は岡谷でございましたけれども、ものづくりフェア2009、これもまた幅広い業種、そして業界、さらに県の工業技術総合センター、創業支援センター、計量検定所等の参加を得て行われました。それぞれの場において、非常に内容の充実した、県内工業界の幅の広さ、奥の深さ、力強さを実は感じたところでございます。
 先般、岡谷市で行われた「ものづくり人材 若者確保・育成セミナー」というものの講演会を実は聴講してまいりました。そこで話された内容は、今、産業界に必要な人材は、一つとして、受け継がれたものづくりの技術や技能を持つ人材、そしてまた、一つとして、新しい産業や社会を構築する人材、さらに高度で高付加価値を持つ人材というようなことを言われておりました。

 その中の一つ、受け継がれたものづくりの技術や技能、これを持つ人材の確保、伝承についてであります。
 ものづくり大学が全国で実施をした実態調査では、技術継承や人材育成の必要性を感じながら自前ではなかなか対応できないと、こういう中小企業が多いというふうに言われております。技能継承を担う熟練の技能者の多くが実は日常の業務に追われている、そんなことが大きな要因だと言われておりまして、当面はそういうことを何とかしのいでも、数年先には技能継承が困難になる可能性が高いという、こんな分析を実はされております。技能、技術の継承や保存は我が国の重要な課題というような考えからしますと、このままでいいわけはございません。もちろん、長野県も同様でありまして、非常に気になるところでございます。

 そこで、中期計画にある技術、技能の継承支援の具体的な取り組み、また進捗状況をお伺いをいたします。
 また、1月20日、伊那市において開かれた私ども県議会の政策タウンテーブルにおいて地域から出された大きな声に、ものづくり、とりわけ工業関係における人材育成の問題がございました。その声の中で、工科短期大学校を南信地区へぜひ設置をしてほしい、こんな要望が出されております。このことは、諏訪、上伊那、下伊那、南信のどの地域からも出されたものでありまして、まさに地域の大きな大きな要望でございます。この大きな声、また強い要望を当日直接お聞きになった立場でどうとらえられたか。
 以上2点を商工労働部長に伺います。

                   

◎商工労働部長
 (荒井英彦)

 

工業人材の養成、育成につきまして御質問をいただきました。
 まず、中期総合計画にある技術、技能の継承支援の取り組みについてのお尋ねでございます。
 企業におけるものづくりの技能継承を支援するため、団塊の世代の退職に伴う技能継承への対応といたしまして、平成17年度から工科短期大学校や技術専門校におきましてスキルアップ講座を実施をいたしております。企業の在職者を対象にいたしまして、民間の熟練技能者を講師にお願いをして少人数の実習中心の技能講座を実施するもので、20年度は、地域企業のニーズに基づくオーダーメード型の講座を中心に、現在まで167コースを実施しまして1,665人の方が受講をいたしております。
 また、昨年設置しました産業人材育成支援センターにおいて企業における研修カリキュラムの作成などの相談に応じているほか、中小企業振興センターを通じまして、技能継承を図るための指導人材を必要とする中小企業に対しまして、長年培ってきました技能、技術を有する企業OBを紹介する事業を開始しております。これまでに36企業を支援しているところでございます。
 さらに、平成24年の技能五輪全国大会の開催に向けまして、個別企業の取り組みだけでなく、産・学・官が協力して若年者の技能向上を図ってまいります。また、県としましては、職業能力開発協会等の関係団体と協力しながら、21年度より職種ごとの技能講座を幅広く開催していくことといたしております。

 それから次に、南信地域への工科短期大学校の設置要望についてのお尋ねでございます。
 お話のように、先般、伊那市で開催されましたタウンテーブルの際に、私も、地元の産業界から南信に設置してはどうかといった声をお聞きしたところでございます。人材育成にかける地元の皆さんの大変な熱意、そういうものを率直に感じたところでございます。製造業が集積し、企業誘致も盛んな南信地域におきまして従来から若手技術者の確保というのは切実な課題となっていたことから、工業技術系の工科短大のような施設に対する地域の期待の大きいこと、従来から理解しているところでございます。
 しかしながら、現在の厳しい県の財政状況、あるいは今後の少子化の進展などを考えたときに、県としてもう一つ新たな工科短大を設置するということは大変難しいことではないかと率直に申し上げざるを得ない現状でございます。
 将来的には、今後、23年度にスタートいたします第9次の職業能力開発計画の策定作業の中におきまして、高校新卒者の進路動向、あるいは企業側のニーズ、こういう状況を踏まえた上で工科短大や技術専門校のあり方全体を見直していくということとなっておりますので、この問題もその中で含めて検討してまいりたいと考えております。

          

■野澤徹司

優秀な技能者の格付、あるいはそれに伴う処遇というものもこれから大きな検討課題でありまして、今お話いただいたような形の中で何としてもさらなる取り組みを望むものでございます。
 さて、工科短大の話でございますけれども、今御答弁の中では地元から設置をしたらどうかという話があったということでございますけれども、設置をすべきだというのが認識でございまして、今の商工部長の認識は若干当時の受けとめ方は違うじゃないかと、こんなふうに思います。
 いずれにしても、この大きな声というのは大切なことでございまして、当日の私のメモによりますと考え方としては困難というふうに書いてあるんですけれども、実は、その中では検討をしていくというような御発言をされているわけでございまして、ぜひその言葉の重みをとらえていただきたいなと、こんなふうに思います。

 さて、前段で申し上げましたような産業界が欲するもう一つの新しい産業や社会を構築する人材、その人材とは、単にものづくりの技術だけではなくて、それをどう経済活動に変えていくかというマネジメントの部分も備えた人材を欲しているわけでございます。企業の活動の中で開発をして、そして設計をして、そしてつくり込みをして、販売をして、それで回収をしてというような経営あるいは経済、こういうものを教育する場が実は欠けている、実質的にはないんじゃないかということでございまして、例えば、工業高校で物をつくることはあるいはあるでしょうけれども、残念ながらそんな時間はとれないはずでございまして、また、工業系の大学でも、一般教養といいますか、2年、あと技術2年、これもまた実は難しいんじゃないかというふうに思います。
 こういう中、工業高校をより専門化のために、将来5年制化、一部には政府・与党の中でもこんな議論が出ているというような話も聞くところでございますけれども、そういうものが具体的にも望む声が出てきております。3年を過ぎた後、今申し上げたような教育を集中して即戦力になるような人材を地域に送り出していく、これが新たな産業を構築し、単なる下請に甘んじることなく、ぴりりと辛い企業を生み出し、これが地域を支えることにつながる、こんなふうに考えるわけでございます。
 こういう声に対してのお考えを、工業を担当する立場から商工部長に、そしてまた教育という立場から教育長にお伺いをいたします。

           

◎商工労働部長
 (荒井英彦)

ものづくりの技術だけでなく、マネジメント部分も備えた人材の育成方法についてのお尋ねでございます。
 企業におきまして、全体的なことがわかる、そして開発に向けて全体を引っ張っていける、そうした人材が必要とされているということにつきましては今議員のお話のとおりだと私も思っております。
 そこで、現在、より専門的な工業関係の知識、技術を習得させるための新たな5年制の職業教育機関の創設が話題となっていることについては承知しておりますし、また、その動向にも大いに注目をいたしているところでございます。
 そういうものがなかなか見えない今の段階で考えますと、学校段階において、ものづくりの基礎的な知識や技術に加えまして、企業が事業展開を図る上で不可欠な経営、またマーケティング、こういった幅広い領域について実際に企業の即戦力になる人材を育てるということに限界があるのではないかなとも考えられるわけでございます。現実的には、企業において、入社段階で一定程度の知識、技能を有する職員を採用した後に、将来のスキルアップを目指しまして、そういったことを計画的に習得させる従業員のキャリアアップの仕組み、こういったものも重要になってきていると思っております。
 県では、企業のキャリアアップの取り組みを支援するために、産業人材カレッジにおきまして経営、生産管理、マーケティングといった講座を開設しておりますので、まずはこうした制度を十分に活用していただきたいというように考えているところでございます。

         

◎教育長
 (山口利幸) 

工業高校の専門性を高めることについてのお尋ねでございます。
 卒業後、さらに高度な内容を学ぶための専攻科を置く工業高校は全国に16校ございます。いずれも、地域の産業に密着した学習はできますけれども、修了しても大学3年への編入はできません。工業高校卒業生の大学等への進学率が年々高まっておりますけれども、こういった中で、継続教育という観点から見ますと課題があるものと考えております。
 また、お尋ねの工業高等専門学校につきましては、教員の資格、それから施設設備等の設置基準はかなりハードルが高うございます。公立の高等専門学校は、現在、東京都、大阪府など3校にとどまっているのが現実でございます。
 産業教育においては、地元企業や大学等の教育機関との連携が極めて重要になっております。現在、多くの専門高校が企業での就業体験や大学を訪ねての実験、実習といった取り組みを進めております。そのような学習を通じて、地元産業の担い手となる有為な人材を育ててまいりたいと考えているところでございます。

       

■野澤徹司

今、大変厳しい話をいただきました。実は、私と同世代の工業人がそろそろ後進に道を譲る時代になってまいりました。彼らも苦労をして仕事を得て、それで業を起こし、そして経営をしてきたという中で、その苦労というものは非常にわかるわけですけれども、工業の中身が年々変わるにしても、やっぱり彼らも、自分の後継者はできても、次の次の人材というものを非常に心配をしております。どんな形にしても人は財産でありまして、今お話があったように簡単にはいかぬというようなことでございますけれども、全国に3校しかない、あるいは大学に進学という部分もございますけれども、それを超えてこういうものをどうしても検討すべきじゃないかというふうに思います。
 実は、こういうことを言う人もございまして、私どもの地元、岡谷工業高校は今回基幹校ということになりました。隣接地に岡谷技術専門校がございまして、とりあえず正規の学校でないにしても、これを利用して前段で申し上げたマネジメントの部分を教える場ができないか、こんな声が非常に多くございます。場合によっては、講師は今申し上げた現役の皆さん、あるいは第一線を退いた経験豊富な皆さんが、おれたちがやってもいいよという話まであるのでございまして、最近は大学を出て知識はあっても知恵がない、知恵と感性がなきゃ今の企業はだめだよ、仕事を与えられるのを待っているが、自分で知恵を絞るという気概がない、まさに受験偏重の知識の詰め込み教育の弊害が出ている、こんなことすら言う産業人もおるわけでございます。
 前段で申し上げましたマネジメント教育に加えて、職場でのリーダーシップをとれる、こんな人材が育成できればこの上ない、こんなふうに思うものでございます。隣接するこの二つの施設を利用して、将来は県立の工業高専をぜひ考えていただきたいなというふうに思います。
 先ほど大学進学という話が出ましたけれども、経済的な理由で、こんな状況になってきますと大学進学を断念せざるを得ないという有能な人材が多くなっているというふうにも考えるところでございます。これらの若者を生かす意味でも今後考えていくべきものだと私は実は思っておりまして、ぜひ前向きな議論をいただきたいなと思います。
 自治体の長として地域の工業をつぶさに見て、また、その振興に大きな力を発揮されていた教育委員長、今現在のお立場からそういう教育課程についてどんな感想をお持ちか。お聞きをしたいと思います。

           

◎教育委員会
  委員長
 (矢ア和広) 

岡谷工業高校に関する御質問であります。
 地域の産業教育を担う人材の育成、これは地域の発展にとって不可欠な課題であります。岡谷工業高校が、戦後の精密工業から現在のスーパーデバイスの集積地と言われる諏訪地域において果たしてきたその役割は、大きなものがあることは認識をしているところであります。
 今回、決定した高等学校再編計画案におきまして、岡谷工業高校は南信地区の工業科の基幹校として指定をさせていただくことになりました。基幹校は、一定規模を維持し、多様な専門分野を持ち、その専門性を追求する教育が行える学校ということでありまして、議員御指摘な部分についても十分耐えていけるような方向で内容が充実されていくんではないか、そんな期待をしているところでありまして、昨年の産業教育審議会の答申におきましては、工業科の基幹校の要件でありますが、高度技術などの専門性を追求できること、開発技術者の育成にも対応できること、企業や大学との連携を密にし、高度な研究開発等を目指す資質を育てること、また、その成果を広く提供することということになっているわけであります。
 岡谷工業高校につきましては、こうした産業教育審議会の答申を踏まえながら、今後とも基幹校としての充実を図ってまいりたい、そのように考えているところでありまして、工業高等専門学校の設立については随分ハードルが高いなという感想を持っているわけでありまして、今後の発展的な産業教育機関のあり方の一つとして御意見をお伺いしておくということでとどめたいと思います。

 

         

■野澤徹司

次に、県立高校の運動部の活動と外部指導者についてであります。
 競技力の向上や、あるいは国体での入賞数、あるいは総合順位などの目標達成に向かうため、今や高校の運動部の活動というのは外部の指導者に依頼する場も相当ふえてまいっております。
 県立高校の運動部の顧問の運動経験を見ますと、現在担当しているのと同じ運動の経験者が約55%、他の領域の運動経験が約20%、運動経験が全然なしということが実は25%いるということでございまして、また、県立高校の運動部での外部指導者の推移を見ますと、平成14年度の156名から平成19年度は233名というふうに増加もしておりまして、今後もこの増加が予想をされるわけでございます。
 それに伴い、学校教育の立場と、あるいは競技成績や技術を追い求める外部の指導者という皆さんとの立場での意識のすれ違いというようなことで今後問題が出てくるような懸念をされるわけでございまして、まずその辺の見解をお聞きしたいと。
 それからまた、こうやって外部の指導者がふえてくると、外部指導者への依頼の一定のルール、こういうものが現在存在をしているのか。
 以上2点教育長にお願いをいたします。

       

◎教育長
 (山口利幸)

運動部活動と外部指導者についてのお尋ねでございます。
 運動部活動の状況といたしましては、教員の高齢化や専門外の種目を担当する教員の増加などが挙げられます。また、生徒が求める指導も高度化、専門化してきておりまして、それに対応できる技術指導力を備えたスポーツ指導者への依頼が学校現場では必要となり、またふえているわけでございます。
 平成19年度、中学校では156校におきまして719名、高等学校では82校におきまして233名の外部指導者の方々に技術指導をお願いしておりまして、議員御指摘のとおり、この間、増加の傾向にございます。そのような中で、指導方針、練習方法や活動時間、指導領域とその責任分担などが課題となっていると、こんなふうにとらえておるところでございます。
 生徒が生き生きと活動できる運動部活動を保障するには、外部指導者と日常継続的に責任を持つ顧問となる教員とが共通認識と役割分担を明確にいたしまして、保護者の理解、協力を得て指導に当たることが大切なことでございます。こういった観点に立ちまして、各学校では教育活動の一環としての運動部活動が適切に行われるように努めておるところでございます。

 次に、外部指導者への依頼についてのお尋ねでございます。
 外部指導者への依頼手続に関する規程は特に定めておりませんけれども、依頼に当たっては、学校長が指導者としての適性、指導経験等を総合的に勘案いたしましてお願いしているところでございます。
 なお、中学校では外部指導者が監督になることはございませんが、高等学校におきましては、全国高等学校体育連盟規定、高等学校野球連盟大会参加者資格規定によりまして、学校長が適任者として認めている者、あるいは委嘱した者に限って監督をお願いすることがございます。
 今後も外部指導者への依頼がふえていくことが予想されます。そこで、外部指導者を依頼するに当たっては、指導者としてのあり方、事故発生時等の危機管理など、指導者としての基本的な研修を行ったりして資質の向上を図っていくことが必要になると、こんなふうな認識を持っておるところでございます。
 以上でございます。

      

■野澤徹司 今お話がございました研修、そういうようなものをこれからやっていくということでございます。これは結構なことだと思いますけれども、外部からということになりますと、実は、本来の職業を持っているというようなことでございますし、今こんな経済の状況の中で企業スポーツ自体も非常にピンチになってきているということでございまして、そういう意味では、まず生活というようなことで、外部の指導者の善意によるというのもこれまた不安定になるというふうなことも考えられます。
 また、今お話がございました233名の中でも、コーチという立場の方と監督という立場の方がいらっしゃる。特に、監督という立場になると時間の制約というものが非常にあると思うわけでございまして、こういう意味では雇用主の理解というものも非常に必要じゃないかというふうに考えるところでございます。
 今後、これだけふえてきますと、教育委員会が主導をするそれぞれの依頼、委嘱に対するルールづくりが必要ではないかと、こんなふうに御指摘を申し上げまして私の質問を終わります。

 

 

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