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■野澤徹司
   
    

改革・緑新の野澤徹司であります。40余年工業の中で生活してきた中から、産業教育、特に工業高校を中心に主に設備のあり方について御質問をいたします。
 急速な技術の進歩、そして、ますます厳しさを求められている品質、コスト、こういう中にあって、企業が求める人材と工業高校での教育内容に非常にギャップがありという話を実はよく産業界の皆様からお聞きをいたします。
 そうした話がある中で、産業振興の立場から商工部は当然工業教育の現場との連携は必要であり、また、私はそれはもう当然であるなと思っているわけでありますし、実際に、県内企業における人材の育成や確保を、中学、高校段階からのキャリア教育等を積極的に支援していくというような考え方も出されているわけであります。
 そこで、実際、今までどのような連携をされてきたのか。また、今後どのような連携が考えられるのか。特に、産業教育の振興の立場から、企業ニーズと現状の教育内容についてどんな感じを持っておられるか。まず、商工部長にお聞きをしておきたいというふうに思います。

     

◎商工部長
 (荒井英彦)

 

産業教育に関しての商工部と教育委員会との連携についてのお尋ねでございます。
 工業高校等における産業教育につきましては、平成18年10月に策定いたしました第8次長野県職業能力開発計画の中で、県内産業界での具体的な活用を視野に入れた技能、技術の習得や目的意識を持った即戦力としての人材の育成に早期から取り組む必要があると位置づけているところでございます。
 こうした観点から、商工部といたしましては、教育委員会と共同で、ものづくり産業の人材確保等に関する連絡会、意見交換会を設置いたしまして、県内産業界の動向等を踏まえた産業教育の展開について連携をさらに進めるための取り組みをいたしております。
 この8月の下旬に開催いたしました会議におきましては、まず県内の産業界が求めている人材像についてお伝えをいたしたところでございます。
 具体的には、技能面につきましては、ものづくりの基礎的な技能をきちんと身につけている、あるいは、ものづくりの喜びや楽しさを感じられる、そうした人材であること。また、人間性の面では、集団で仕事をすることの楽しさ、また難しさを理解できる、あるいは、みずから課題を達成していくチャレンジ精神を有している、また、目標達成に向けて辛抱強く粘り強く取り組む姿勢を有している、そうした人材が求められていること。その上で、最近の新入社員については、社会人としての基本である、例えばあいさつであるとか、またエチケット、こういったことが身についていないケースが間々見受けられる、こういう場合に、こうした分野まで企業が対応していくというのは大変厳しい状況であって、卒業までにきちんと身につけてほしい、こうした声があることも率直にお伝えをしたところでございます。
 また、具体的な連携としましては、県立高校89校で取り組んでいる高校生の職場体験、ずく出せ修行就業体験事業という事業がございますが、これにつきまして、経営者協会やハローワークとも協力いたしまして、受け入れ先の拡大を図るなど事業の充実に努めているところでございます。
 さらに、本年3月に策定をいたしました長野県産業振興戦略プランにおける人材育成戦略に沿いまして、10月19日には、県教育委員会、信州大学を初めとする教育機関、また経済団体など24の関係機関で構成する長野県産業人材育成支援ネットワークを設置したところでございます。今後、このネットワークを通じまして産業教育、キャリア教育を幅広く支援をしていく予定でございます。
 御指摘のように、経済情勢あるいは社会構造の変化が大変スピードが速く変化をしているわけでございまして、こうした変化を踏まえながら、時代に即した産業教育を展開していくことが非常に重要であると考えております。
 したがいまして、これまで以上に商工部と教育委員会の間で緊密に連携を図ってまいる所存でございます。

       

野澤徹司

月議会の中で、宮澤議員から非常に大きな問題提起がございました。そこで、私は、地元の岡谷工業高校を半ば抜き打ちに近い形で訪問、実際に実習の設備状況をつぶさに調査し、また現場指導に当たっている先生方からの話を伺ってまいりました。
 その実態というのは、実は、教育委員会へ出されている設備更新要望書の内容をはるかに超えたものであります。
 同校の19年度提出の設備更新要望書の内容は9件でございました。そのうち最も古いものは昭和41年製というものがございました。ところが、現場には昭和36年の設備があり、40年代は多数という状態でございます。実態は使用不可というものも多々ある。これを見たときに、この要望も相当遠慮しているなとも思ったわけでございます。
 一方では、高度な機能を持つ非常に高価な分析器を導入した。ところが、予算が合わず、国産を予定していたのが、国産は買えない、ドイツ製が入っている。我が母国語さえおぼつかぬ近年の若者がドイツ語の説明書で取り扱っているという、こんな状態もございました。
 また、使用禁止であるはずの水銀、四塩化炭素を使用している危険な機種、微量ではありますけれどもアスベストが使用されている昭和40年製の精留装置というものも確認をされました。これを見て、ほかの高校も状況は同じようなものだなというような感じを持ちました。
 また、リストの中で、例えば農業高校を見てみますと同様に古いものがございます。軸が摩耗して使用できない、部品もなく修理ができない高圧蒸気殺菌釜、金属疲労も進んでボイラー保安検査員からの勧告ではもう使えない、もしこれをそのまま使ったら高温蒸気の噴出により大きな事故になると。これも昭和47年製でございました。こういうのが現実でございました。
 このような状況から、私は、果たして、教育委員会はこういう現場を見て、その実態を把握してやっているのか大いなる疑問を持つのでございますが、現場の実態というものをどのように把握をしているのか。まずお聞きをしたいと、このように思います。

       

◎教育長
 (山口利幸)

お答えいたします。
 工業高校等の産業教育設備につきまして、現場の実態を把握しているのかというお尋ねでございます。
 工業高校等の実態把握という点につきましては、設備更新に係る要望調査のほか、担当者の学校訪問の際に現場を見たり、校長会からの要望や意見交換などの機会を通して状況を把握しております。
 9月定例会での宮澤宗弘議員の御質問の際にもお答えしましたとおり、職業科の実習用機器等につきましては、今議員の御指摘もございましたけれども、耐用年数を大幅に超えて使用している実習機器も少なからずある現状は承知しております。
 専門高校における産業教育の充実を図るため専門的な知識や技術の習得に必要な実習用機器等の充実につきましては、リースやレンタル方式の検討など、さまざまな工夫を凝らしながら努力してまいりたいと考えております。

    

■野澤徹司

前回の宮澤議員への答弁の中では、平成15年からの5年間で各校からの設備更新の要望額は平均約9億円、それに対する予算は平均約2億9,000万、3分の1でございます。
 しかし、これは先ほど申し上げたように実は遠慮している部分が相当あるなと考えますと、この実態に対してははるかにわずかということでございます。
 今、十分に認識をされているというお話がございましたけれども、先ごろ出された高校長会からの高校再編に対する中間取りまとめという中に、「専門学科は、その時々の産業社会の変化に教育内容を適合させるために、産業教育審議会の答申を受けてきた経過がある。」という記述がございます。これから考えると、教育内容としてあるべき設備内容、当然これは対象になるんじゃないかと私は考えますけれども、いかがでございましょうか。教育長、お願いいたします。

    

◎教育長
 (山口利幸)

工業高校等における設備の問題につきまして、産業社会の変化に適合した教育内容、これについて図るべきじゃないかという御指摘でございます。
 今日の専門教育に求められるものは、産業構造の変化、技術の進捗等に柔軟に対応できる人材の育成のため、専門分野に関する基礎的、基本的な知識、技術等の定着を特に重視した専門教育を充実することだと考えております。
 このため、産業教育に係る設備等の充実はもちろんでありますが、地元の企業や大学との連携、交流を通じた実践的教育の充実に向けたさまざまな取り組みを引き続き進めたい。例えば、インターンシップ、あるいは学校によってはリアルシステムを取り入れた、そういった交流の教育を実践しておりますけれども、こういったことを引き続き進めまして、産業界で活躍できる有為な人材育成に努めてまいりたいと考えております。
 なお、今後、開催を予定しております産業教育審議会でもこれらの点につきまして議論をいただきたいと考えております。

      

野澤徹司

今、産業教育審議会の中で議論をするというお話がございました。当然、こういう設備関係ということも対象になってくるというふうに理解をいたします。
 そこで、昨日の小松議員の質問の中で、この産業教育審議会、平成12年以降開かれていないということが実は明らかになりました。答弁では、この審議会は必要な場合に諮問に対して建議をするものであり、平成12年以降は審議いただく内容がなかったということでございました。6年間も諮問事項がないということは、今の立場からいきますと、その時々の産業界の変化に教育内容を適合させるという話からちょっとずれてくる。少なくとも、教育委員会は産業界のこの著しい変化というものに対して大きな設備更新は必要なしと判断をしたと。感性としては非常に鈍いんではないか、こんなふうに思うんでございますが、いかがでございましょう。教育長。

      

◎教育長
 (山口利幸)
必要性を感じまして、本年度内に産業教育審議会を開催することとしているところでございます。
     
野澤徹司

 実は、私が社会に出たのは昭和38年でございます。例えば当時の製品の加工精度というのは100分の1ミリ台。それが、同じ形、同じ機能を持つ製品でも1,000分の1になり1万分の1になり、今や物によっては100万分の1というナノテクというようなことになってくる、こんなわけでございます。
 生活の変化を見ても、これは大変な大きな変化でございまして、先ほど昭和36年あるいは昭和40年という設備の話をいたしましたけれども、昭和36年といいますと、よく皆さん考えてみてください、団塊の世代の1期生、本年度60歳になる方は何とそのときは中学2年生なんですよ。こんな時代の設備を使って、今の産業教育の現場、これでいいんでありますか。また、使用にたえないような設備を台帳上に残しておく。民間でいけば売れない在庫を資産計上して決算をしているようなものでありまして、まさに実態の判断を狂わせることです。
 私は、この際、すべての不用なものを洗い出して、使用不可なものはどんどん台帳から消していく。そして、全体を洗い出しておいて、その上で必要な設備更新計画というものを進めるべきじゃないかと、こんな考えを持っておりますけれども、教育長、いかがでございましょう。

       

◎教育長
 (山口利幸)

例えば工業関係で申しますと、旋盤とかフライス盤とか、そういった工業教育の実習に不可欠のものにつきましては、これはNC旋盤になろうが、やはり基本は大事でありますので、そういう面で、先ほど申し上げたように基礎的、基本的な技能の習得という面において必要な機材というものは更新していかなければいけないと、こんなふうに思っております。
 ただ、御指摘のように、ほこりをかぶって隅に打ち捨てられておるというふうなものにつきましては、これは財務処理の規則に照らして議員御指摘のように適正に処分しなければいけないと、こんなふうに思っております。

       

野澤徹司

私は、最初に商工部長にお伺いしたというのは、300人以下の中小企業が97%という本県の実態がございます。そうしますと、即戦力やまたそれに近い人材を送り出すためには、ぜひ商工部や教育委員会の連携が不可欠であり、そしてまた設備もそれなりにきちんとしたものがなきゃいかぬ、そういうふうに感じているわけでございます。
 そこで、知事にお伺いします。
 実は、この秋の諏訪圏の工業メッセをごらんいただきました。県内には、あのようなさまざまな業種、あるいは新技術開発というような機運が大きく広がっております。世界に飛躍するものづくり産業構築のために、学校現場の設備更新にはぜひ御理解をいただきたい。
 実は、東海地方のある銀行のシンクタンクでは、製造業への就業率の低下がそのままこれが貧困の拡大につながるというようなリポートをごく最近出しております。これは新聞紙上でも報道されております。このことからも工業の重要さというものが非常に浮かんでまいります。
 信州がこれから元気よく生きていくためにも、ぜひ工業の大切さを、あるいは工業教育の大切さを御理解をいただいて、予算をつける立場から知事の御所見をお伺いいたしたい。

              

◎知事
 (村井仁)

ただいま、野澤議員の商工部長、教育長に対する御質疑をずっと承っておりました。これからの長野県の産業振興ということを考えます上で、工業高校等の設備充実も含めまして、ものづくり教育をしっかりやっていかなきゃいけない、それはそのとおりであります。
 私自身、見ておりまして、例えば経営者協会との懇談、これはもう既に何回か場所も変えてやっておりますけれども、そういう場で、経営者協会の方の御配慮もありまして、必ず教育長をお招きになっておりますね。これは私は大変意義のあることだと思っておりまして、いかに経営者協会の側でも教育の重要性というものを認識しておられるかということを痛感しております。
 今、議員いろいろ御指摘がございましたように、将来の長野県を支える人材を養成していく非常に重要な場でもございます。そういうところで産業教育に係る設備の更新につきましては、必要性をきちんと勘案した上で計画をしていかなければならない。よく理解するものであります。
 ただ、一つだけ私感じますのは、産業の生産段階というのはこれはもう本当に日進月歩で進んでまいります。ただ、基礎的な教育をする場でそういう最先端のものを備えていなければならないかどうかというところは、当然のことですけれども、疑問があるわけであります。そこは、基本的な技能の習熟のために必要不可欠なものを厳選してきちんと整える。そして、それが展開していって、例えば先ほどNC旋盤という話が出てきましたけれども、NCを旋盤と組み合わせてどんなふうになっているかというのは、例えば実業の場でいわゆるインターンシップなり、あるいは産業界と交流することで実感していく。その基礎になるのはどういうものなんだということはこれは学校教育できちんと経験させていく。そんなような組み合わせが必要じゃないかと思います。
 いずれにしましても、産業教育に係ります予算づけにつきましては、今後の予算編成の中で十分に検討してまいりたいと存じます。

            

野澤徹司

次に、諏訪湖のしゅんせつの話でございます。これは諏訪人にとっては非常に大切な話でございます。
 諏訪でのボイス81の際、地元の首長からの話の約7割というのは実は諏訪湖の話なんです。これは、知事、御質疑をいただいてよく御認識をいただいていると思いますけれども、その中の大きな一つが実はしゅんせつの話でございます。
 これについては、中止以降の新たな方向はまだ検討中ということで示されておりませんけれども、しかし、年々数センチずつ浅くなるということになりますと、これは100年後には湖はどこかへ行っちゃうんじゃないかというように大きく姿を変えるわけでございます。そういう意味では、前に湖、左に八ケ岳、そしてその正面には遠く霊峰富士、北斎や英泉が描きしこの風景は、私のひ孫かその先には、残しておきたいけれども、今のままでは消えちゃう。実は諏訪人のそんな思いでございます。先般の諏訪の皆さんの思いやお話をよく酌み取っていただいて、諏訪湖のしゅんせつについてぜひ前向きに検討をいただきたい。知事、前回のボイス81の雰囲気を思い出しながら、お答えをお願いいたしたい。
 以上で終わります。

          

◎知事
 (村井仁)

諏訪湖のしゅんせつにつきまして御質問いただきました。
 長野県にとりまして最大の湖でございます諏訪湖、県にとっても、治水、観光、自然環境等の観点からも大変大切な存在であります。
 水質浄化を目的としました諏訪湖のしゅんせつ事業そのものは昭和44年から実施してまいりましたけれども、流域下水道、それからこのしゅんせつ事業、各種の施策によりまして諏訪湖の水質浄化に一定の効果が見られたということで、平成15年度で中止したところは御案内のとおりでございます。
 現在は、下水道の普及や、しゅんせつ等の汚染源対策が進みまして、今後は市街地や農地等からの流出水対策が課題だと、こんなふうに認識しているところであります。
 今年度策定予定の第5期諏訪湖水質保全計画には、底泥からの栄養塩類の溶出を抑制するためのしゅんせつなどについて検討する旨の記載がございます。現在、その費用対効果につきまして調査を委託しているところでございます。
 一方、諏訪湖への流入河川からの土砂の流れ込みで河口付近では土砂が堆積し、これは治水上支障となっている部分もございます。これらに対しまして、維持管理として堆積土砂の除去を進めてきたわけでありますが、今後も適切な維持管理に努めてまいりたい、このように考えておるところでございます。
 ただ、本格的に今議員御指摘のようにやるということになりますと相当な経費を考えなければならないところでございまして、なお検討をさせていただきたいと存じますし、また有識者のさまざまの御意見もよく聞いてまいりたいと思います。

           

 

 

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